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わたしが1円で買ったもの

 1円で買えるものなんて世の中にあります?1円と言えば1円硬貨をつくるのに3円コストがかかっていると、そういえば小5の姪(3号)がこの夏教えてくれたなー。でも1円では1円分しか買い物できない、あたりまえだけど。1円で買えるもの・・・携帯キャリアを乗り換えるとなぜかいらないのにもらえたゼロ円携帯?いまだにあるのだろうか?そういえば昔、dさんのカウンターで「いらない」と言ったのに「電源入れないで、箱に入れたまま持っているだけでいいので」と押し付けられたなー。携帯買いに行って、欲しかった機種を買うと、なぜかまったくもって欲しくない機種の携帯を契約させられるやつ。「同じ金額でいいので、2台目いらない」と言ったら、「1台だけだとこのキャンペーンの対象外で高くつきます」って。ナゾ。要は回線を契約させたいビジネスなのね・・・1円の話から逸れました。1円で買えるもの・・・ありますよ!1円切手!
 
前置き長くなりましたが(そしてすでに何度『1円』と言ったことか!)今日は1円切手を買ってわたしが得たもののハナシを。

 2019年夏、わたしはなんとかして連絡をとりたい人がいた。さかのぼること15年ほど前、オーストラリアの美しい街、パースでたくさんの想いや時を共有した友人である。日本人で同じホームステイ先の家庭に同じタイミングで住んでいたことや年齢が比較的近かったこともあって意気投合し、その後もシェアメイトとして同じ屋根の下で半年ほど生活を共にした。帰国後は東京と名古屋で連絡をとりあっていたものの、忙しさやお互いの生活の変化などから疎遠になり、私が携帯のキャリアを変更するタイミングで、連絡が途絶えてしまっていた。当時はSNSなんてものはまだなくて(あったのかもしれれないけど、誰もが使っているという時代ではなかった)携帯のメアドと電話番号だけが頼りだったのですよ、ワカモノのみなさん。携帯のキャリアを変えるとですね、メールアドレスごと変わってしまうものですから、「アドレス変わりました~」といちいち連絡していたそんな時代がございました。
 その連絡をせずに、その上彼女の連絡先を新携帯に登録しないまま時は過ぎ、古い携帯の電源なんて入れることもなく・・・連絡が途絶えてしまったわけ。ホームステイ先のパパやママ、パースで仲良くなった友人と連絡をとるたびに「〇〇(彼女の名前)は元気?連絡とってないの?」と聞かれ、なんとなく罪悪感がありながらも「連絡とってないなー、最近は」なんて答えていたわたし。いや、なんとなくはウソである。気にしてた、すごく。きっとあちらから、たまーにやりとりしていたメアドに連絡あったはず。送信ボタンをタップした瞬間に戻ってくる自動のエラー返信、イヤだよねぇ・・・「あれ?わたしの前から消えた???」ってきっとなっただろうなぁ。

 話は戻って2019年夏、わたしは彼女に連絡をとることにした。オーストラリアから帰国後数年は年賀状のやりとりしていた!厳密に言うと彼女が律儀に毎年年賀状をくれて、わたしはメールでどうも!と返してたのだけど。その年賀状もこなくなって10年は経ったかな・・・・10年前の年賀状を探す・・・あった!年に数通しかこない年賀状なんだけど、引っ越して住所変わったよという年賀状はいつか連絡しようと捨てずに保管していた。善は急げ、思い立ったが吉日!かわいいポストカードを選んで、連絡を途絶えさせてしまったお詫びとまた再会できたら嬉しいなというメッセージと共にメールアドレスを添えて。ポストカード、つまりはがきにに手書きでメールアドレスという個人情報を丸出しにして(笑)手紙を書くのが結構好きな私は、郵便局に行ってなんとなく気にいる切手があると買う癖がある。収集家ではないのだけど、きれいな風景や食べ物やキャラクターの限定のものや・・・わざわざ調べて買いに行くことはないのだけど、何らかの用事で郵便局に行った際は、切手を必ずチェックし、だいたいの確率で買う(笑)ドラえもんかミッフィーちゃんか忘れたけど、そんな切手を貼っていざ赤いポストに投函!の際に気づく。最近はがきの郵便料金上がったな?確か1円?そう1円足りないのである。そそくさと郵便局の窓口で1円切手を1枚買うわたし。1円で買えるものってイマドキ切手くらいじゃないか?とそのとき気づく。ないよね~1円で買えるものなんて。
 そして本当にいざ投函!「ちゃんと届きますように」と願いを込めて。届くんだけどね、引っ越ししていなければ物理的には。だから厳密には「ちゃんと気持ちが届きますように」だ。

 気持ちはきっと届くと信じたかったけど、こちらから絶ってしまった関係性だし、返事はこないかもしれないよと自分に言い聞かせてもいた。1ヶ月以上経ったかな、もう季節は秋だったかな、メールがきた。「連絡ありがとう~嬉しかったよ~」と。涙。わたしたちは15年ぶりに「つながった」のである。個人情報丸出しのメールアドレスでLINEの交換をして(笑)あなどるなかれ1円。

わたしのかわいい姪甥たちへ。お金で買えるものは世の中たくさんありますが、お金で買えないものも実はたくさんあります。そしてそれはリアルな「モノ」ではないことが多い気がします。たとえば友情、たとえば愛情、たとえば健やかな心身。健やかな心身はお金をどうやって得て、どう使うか?にも影響がありそうだなと、叔母は最近気づきつつあります。お金で買える「モノ」に溺れるほどのワカモノ時代を過ごしたわたしが何を言っているのかとも思いますが、これが今のわたしであります。人生矛盾だらけということです(笑)

最後までお読みいただきありがとうございます。またこちらでお会いできたら嬉しいです。


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