読書と言葉が「生」を照らす——M・オンダーチェ『イギリス人の患者』
拝啓
昨夜は屋根に激しく打ちつけていた雨も明け方には上がり、いまはすっかり晩秋の日差しとなりました。
あなたからの返信を待ち切れず、それならばまず、こちらから本を紹介しようと考えました。記念すべき(!?)第1回目ですから、あなたもまだ読んでいない新刊を、とも考えたのですが、あえて古い小説を選びました。
手に取ったのはマイケル・オンダーチェ『イギリス人の患者』です。1992年のブッカー賞作品。あなたなら、きっと読んだことがあるでしょう。『イングリッシュ・ペイシェント』とし