④転職失敗。売り手市場で転職時代と言われてますがやはり転職は博打。私の実体験をお話します。四章目
ね、眠れない…一回寝たのですが3時間程度で目が覚めてしまって
そこから眠れない。
というわけで、四章目です。
初めて読みに来ていただいた方は大変お手数をおかけしますが、この前の
激動の一章目~三章目までチェケラッチョ(死語)です。
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ピンポーン!!!
(やべー、押しちゃったよ。どうしたら良いんだ?何喋れば良いんだ?心臓がバクバクする。
とりあえず何も分からんし、モミヤマが言ってたこと、やってた様にそのままコピーするか…)
住人の方「・・・はい?どちら様ですか?」
ワイ「あっ!お、おっお忙しいところ、す、すみません・・。
突然失礼します。わっ、私〇〇㈱の もぺもぺと申します。きょ、きょっ今日お伺いさせて頂いたのは〇〇製品のご提案にお伺いしました。い、いま、この製品、実は一般住宅向けで〇〇万件ぐらい普及しています。ま、また耳よりな情報としては~〇〇で~」
住人の方「訪問販売ならお断りです!二度と来ないで!!」
ガチャッ!!
(う、うわぁ・・・・精神に来る・・。そうよな~・・・、まぁこれが普通、現実かぁ)
モミヤマ「もぺもぺさん!次いこ!!」
ワイ「はい・・・・・。ありがとうございます。」
その後、10軒ほど同じようにやってみました。
中には丁寧に断ってきていた人もいますし、チラシの部分まで行けたところ
も1軒ほどありましたが、ほぼ冷たくあしらわれました。
鳴かず飛ばすでインターホン押すたびに精神が削られていっていたのですが、その前に気になっていたのが、ショールームの時みたいに
モミヤマから突然キレられるのが嫌だなぁと思っていたのですが・・・
何もいわず私を見守っていたモミヤマさんが
モミヤマ「・・・・・・・・・もぺもぺさん。君良いね!!!上手いやん!センスあるよ。」
ワイ「えっ?なんでですか? 」
モミヤマ「まず一つ目、事前に俺が見せてやった通りに、まさにそっくりそのままクローン人間かのようにセリフを一語一句コピーしようとしていたこと。二つ目、インターホン越しでもしっかりとお客さんの反応を見てコミュニケーション取ろうとしていること。三つ目、チラシだけでも見てもらおうと諦めないところ。他の販売代理店の営業は同じように俺が事前に見せてやったのに、勝手に我流のセリフやアドリブやらも加えていらんことをしてたやつがほとんどで、すぐ怒って注意したけど。あと、住人の最初のインターホン越しの反応とか声のトーンがもうあかん雰囲気やったら、その後の会話もおざなり、チラシを入れようとしない、とか。
でも君はその点、そのまま俺のモノマネしていたし、何よりこの俺が自分で考えて生み出した〈なぜこの製品が必要なのか客に興味を持たせる要点だけ伝える、製品の性能や特徴、価格はあえてこちらから何も言わない〉に気づいていたように思えるしな。
あと、なんとなくやけど君は〈うさん臭さ〉が無くて、またどこか営業マンって感じをさせない、思わせないのが逆にいいのかもしれんな。あともうちょっと何軒かやれば玄関に出てくるお客さんいるかもね。」
ワイ「・・・ありがとうございます。(よう分らんけど褒められた?)」
モミヤマ「おう。よし、ほな次上司さんいこか!!」
上司「・・・はい。」
一旦私のターンが終わったことと、モミヤマさんから怒られるかと思ってたのですが、そうじゃなかったので、この時、逆に少し心が落ち着いてホッとしたのと、うっとおしかったモミヤマさんへの印象が180度変わったのは今でも覚えてます。
1社目退職してからもう10年以上たちますが、この会社での経験はかなり強烈だったのか、いまでもはっきりと鮮明に覚えています。
訪問販売も含めてなのですが、退職するまでやっていたことはほとんど記憶が薄れず、今でもよく夢をみます。結構これまで書いてきたことは多少、誇張表現になっているところもありますが、結構一語一句そのままで書いてます。
上司も私と同じく十軒ぐらい回りました。
モミヤマ「・・・・上司さん、君もしっかり出来とるね!!でも、もう
ちょっと覇気を出そうか!元気とかやる気がなさそうとかじゃなくて、君の場合は笑顔もやけど、語尾を上げるとか、おちゃらけて柔らかく砕ける感じが必要やわ。」
上司「・・・ありがとうございます。」
モミヤマ「おーし!!!ほなええ時間になったし一回休憩しようか!!コンビニいこコンビニ。クソ暑くてたまらんわ。車に戻ろう。」
ワイ「了解です。」
(あれ?チラシは何軒か入れたけどそれ以外何も成果出てないぞ。
たくさん回らんでええのかな?)
そう、実はこの訪問販売デビューは真夏の炎天下だったのですが、気づけば大量の汗もですが、まったく慣れないことをしたからか精神的にも肉体的にも疲れていました。
ただ時間を見ると昼2時ぐらいに住宅街に到着したのですが、そこからスタートして気づけば1時間ぐらい経ってました。感覚的には多分あっという間だったのですが、こんなに経ってたのかと。
コンビニにつくやいなや
モミヤマ氏「アイス買うわ~車内で食べさせてな」
と言い、私達も飲み物を買ってまた車内へ。
モミヤマ氏「またさっきの公園の駐車場に戻って30分ぐらい休憩しよう。
そこで休憩しながら話しよか。」
上司&ワイ「はい。了解です」
と公園のコインパーキングに戻ると、
モミヤマ「先に言うとくとな、訪問販売活動で一番あかんパターン教えるわ。真夏の炎天下や逆に真冬も当たり前やけど、そうじゃない時期であっても、一日に休憩なしでぶっ通しで100件とか200件以上回ったり、とにかくたくさん件数回ることを目的にする。これは絶対あかん。人間集中力と体力って連続してせいぜい、1~2時間ぐらいしか持たんのよ。デスクでのPC作業なら話変わるけど、それでも長くて2時間30分かな。」
ワイ「わかりました。」
モミヤマ「なので、一日まずは50件回るなら回るでもええねん。50件がミニマムな目標件数かな。10軒とか20軒とか少なすぎたらあかんけど、
1日、50件で御の字、100件回れたら大御の字。小刻みに休憩を必ず入れる。でも当たり前やけど、件数じゃなくて大事なのは、まずは製品の提案をできるようにアポイントを取ること。だから一軒一軒丁寧に回る。チラシ入れたとこもちゃんと後日聞きに行くねん。そこでも粘る。それは次のステップで別途教えるけどな。」
ワイ「わかりました。」
モミヤマ「あと、インターホン鳴らしたあとに、よくあるのが
(この地域を担当することになりました!)ってフレーズ。あれは意味無し、意味わからん。
そもそも知らん会社の知らん奴が、ある日突然勝手に自分の玄関前に来て、開口一番にこの地域の営業担当になりました!って言われても、こいつアホちゃうかってなるやろ?笑 何勝手に担当しとんねん、担当すな!って話やから。笑」
ワイ「へぇ~。」
モミヤマ「だから開口一番は、こんにちは、突然失礼します!だけでええねん。だって事実 突然来てるんやし笑あとは重要なのはチラシ。自分で作るのはもちろんいいけど、チラシに自己紹介とか趣味とか、あと自分がどこで生まれてとか何をやってきたとか自分史みたいなのをチラシにぜったい書くな。あと訪問地域のオトク情報とか、とにかく提案したい製品と何も関係ない情報をビッシリ書くやつな。あれも意味不明。相手からしたら、気色悪うてしゃーないで。」
ワイ「わかりました」
モミヤマ「さっきやったように、インターホン越しにお客さんへしっかりと訴求点だけを伝えて、その訴求点についても伝えた詳細をチラシに書くことでしっかりとリンクさせて、その情報が必要な人に受け取ってもらって見てもらう。チラシにもちゃんと意味がある。
だからインターホン押しておらんかった留守のところにぽいぽい入れるのはダメ、それは営業じゃない。ラッキーパンチもあるから意味ないとは言わんが出先から帰ってきた相手からしたらチラシだけ見てもらっても、なんのこっちゃわからん。そもそもチラシは1秒で瞬殺判断されるから。」
上司「わかりました。」
モミヤマ「よ~し。ほなアイス食ったし30分ぐらい寝るか!?」
上司&ワイ「え?」
あれだけ第一印象悪くて1億売ったというからどれだけモミヤマさんの営業活動力がすごいのかと思っていたのに、意外な発言に戸惑いを隠せない二人でしたが、疲れていたので助かる~。と思い狭い営業車で休憩。
数分後、モミヤマ氏は後部座席でドカッと寝そべっていました笑
休憩後、
モミヤマ氏「おーし、ほな~さっきのところ戻って、あと20軒ぐらい一緒にまわって帰ろうか。」
ワイ&上司「了解です。」
その後、結局アポイントはその日取れませんでしたが、何軒かチラシを入れることに成功し、トータルで50件ぐらい回ったのを覚えてます。
実はこの日、チラシを入れたある1軒のお客が次につながるとは本当に思ってませんでした。
【第5章に続く】