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歌舞伎をさけぶ ~2024年2月猿若祭二月大歌舞伎・籠釣瓶花街酔醒~

おくらほま。
みかわんわんです。
冒頭の「おくらほま」は挨拶として使っています。

今回は歌舞伎について語ります。
題材は、2024年2月に追善勘三郎公演でかかった「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」です。
なぜ今になってこの演目かというと、今年観た演目の中で一番記憶が鮮烈なのがこれだからです。
あと、歌舞伎って敷居が高いと思われているかもしれないのですが、慣れるとすごく面白い!という魅力を伝えられたらと思って書きます。

なお、歌舞伎好きと言っても勉強中の身の上で、ひたすら歌舞伎役者への熱量を吐き出した内容に仕上がってしまいましたので、勉強不足の点や拙い点があるかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

あらすじ


田舎者で容姿もすぐれない佐野次郎左衛門勘九郎)は、江戸に上った記念に吉原見物に来るのですが、花魁八ツ橋七之助)の道中に行き会います。
その美しさと粋に一目ぼれしてしまいまった次郎左衛門は「宿に帰るが、いやになった」といい、八ツ橋に会うべく吉原通いを始めます。
ある日、仲間とともに吉原に来た次郎左衛門は、八ツ橋を身請けするほどまでに八ツ橋に首ったけです。
しかし八ツ橋の間夫である栄之丞仁左衛門)はそれを知り、愛想尽かしをするよう八ッ橋を問い詰めます。果たして八ツ橋は、心を痛めながらも次郎左衛門に、仲間の前で「この後は私のところへは来てくださるな」と愛想尽かしをしてしまいます。場はしらけ、愛想尽かしをされてなおも言い寄るのは粋を重んじる吉原の流儀に反しますので、次郎左衛門は「じゃあもう来ません」と落胆しつつ帰るのでした。
時は過ぎ、ふたたび吉原です。次郎左衛門は上機嫌で遊びに来ており、茶屋の人たちも歓待します。申し訳なさそうにやってきて詫びる八ツ橋に、次郎左衛門は二人きりで話がしたいと持ちかけます。二人きりの座敷でお酒を酌み交わす二人ですが、実は床の間に刀を持ってきていた次郎左衛門は、愛想尽かしをした八ツ橋を問い詰め、斬ってしまうのでした。
様子を見に来た女房も斬り、次郎左衛門は「籠釣瓶はよくきれるなあ」と感嘆するのでした。

仁左衛門の栄之丞


ほとんど見所ばかりだと思うのですが、楽しみにしていた仁左衛門の間夫と、衝撃だった大詰を。
仁左衛門は筋書のインタビューで「七之助に似合うように若返ります」と言ってました。
そう言われると七之助との年の差が気になったけど、やっぱり仁左衛門は爽やかで格好よくて渋くて最高でした。
台本見ながら仁左衛門を再生したいしそのために台本ほしいです。

いやホントに推しがいるだけでちょびっと出場だけど一挙手一投足に注目してしまう。
前に見たときも栄之丞は仁左衛門だったかもしれないけど、今回も仁左衛門は仁左衛門だったと思う。ホントに格好いい。渋い。けど今回は爽やかより渋めだった。
その仁左衛門を間夫とする七之助はマジで緊張するんじゃないかと思うけど幸せだと思う。

七之助の八ツ橋

道中で振り返ってほほ笑むところ、これは惚れてまうやろって感じでした…。
見せ場の愛想尽かし、よかったです…。(語彙力)
千秋楽に向けて役が深まっていきそうだなと当時は思ってました。まだ行ける!
仁左衛門と一緒の時、玉三郎っぽく見えたんだけど気のせいやんな…。声の出し方とか。
勘九郎ちゃんといると七之助なんだけど、最後の大詰も七之助じゃないみたいな感じがした。あれが七之助なりの八ツ橋が出てきたところなのかもしれない。

勘九郎ちゃんの次郎左衛門


あの…あんまり話の筋わからずに見たから的外れかもだけど。
七之助よりも腹に落として演じてる気がした。比べるもんじゃないけども。
愛想尽かしの場では打ちのめされ方を誠実に演じてたと思います。
かと思うと、八ツ橋に再会して、啖呵を切って八ツ橋を斬って刀の切れ味でオトす。
この落差が最高に気持ちよかったです。ジェットコースターみたい。
大詰めの畳み掛けがものすごく速いんだけども、ストンと腑に落ちるのはさすがだなぁと。
器用なのか努力なのかはわからないけど、心情の動きがちゃんとスピードについていってた。
あと身体能力の高さはさすが。大詰の身のこなしですよ。何アレ。もう一回観たい。

シネマ歌舞伎の勘三郎を見たくなりました


追善ということで通奏低音に勘三郎がいるのですが、違いを見比べたい気持ちになりました。
なんかこう…シネマ歌舞伎の勘三郎はもっと序盤に笑わせてきた気が…。
勘三郎は何をやっても笑わせてくれるのがすごいところでもありましたが、お岩さんをやっていて笑いが起きてしまったときには「本当に勘三郎は勘三郎なんだな」って思いました(^^;)

勘九郎ちゃんは勘三郎と似てると今までもあまり思ってこなかったけど、やっぱり似ていないなぁと感じました。
いえ、見た目と声はよく似てるけども。それが面白いところでもあります。
むしろ見た目と声が似ているから、違いが際立つというべきでしょうか。

勘九郎ちゃんは真摯さが前に来る芸風というか、真面目ーな感じがします。真面目にお父さんの跡を追ってきているのですが、追えば追うほど勘九郎自身が際立ってくる感じがします。
勘三郎も真面目なのですが、真面目さを包み込む勘三郎のおおらかさがあった気がします。

歌舞伎の感想を書いてみて

あらすじを入れてみたのですが、やっぱりライブの演目を言葉で説明するのは難しいですね。語彙力の不足。
おいおい、ほかの演目も書いてみたいと思っていますが、読者さんに十分歌舞伎の魅力が伝わるかどうか…むむむ。
好きなものを書くのは幸せです。
しかし同時に、「これでいいのか?」と思いながらアップする葛藤が生まれます。
めげずに、今後も書いていきたいと思います。

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