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新川帆立さん×秋谷りんこさんのトークイベントに参加した

2024年のゴールデン・ウィークの最終日に、note主催の創作大賞2024に関連した、小説家の新川帆立さんと秋谷りんこさんのトークイベントに参加した。

イベントは、11時からオフラインの創作作業をする時間と、16時からのトークイベントの二部構成となっていた。私は、11時から会場入りして、同じ創作を志す方との交流を期待していた。しかし、私が人見知りであることと、会場の雰囲気から、交流するところまでは行かず。事前に示し合わせてお会いした、小暮沙優さんとひたすら会話をしていた。

小暮さんは、上述の小説「メタモルフォシス」を書き進めている。私の小説「ある朝の目覚め」と似た題材を扱っているけれども、料理の仕方が違う。また作中の描写のテンポ感が良く流れが良いと感じる。まだ起承転結の承の段階かと思うが、今後の進展の楽しみな作品を書かれている。

私たちは、お互いの小説の内容や書き方、ノートや文房具の使い方、音楽のこと、病気に関することなど、様々に話をした。お互いに近しいものを感じて、とても楽しい会話を過ごせた。

その後、16時から新川帆立さんと秋谷りんこさんのトークイベントが始まった。最初に掲載した記事から、YouTubeのアーカイブを視聴できる。なので詳細はここでは書かない。事前アンケートで私が記入した、「プロットはどのようにしていますか?」という質問について、お二人から次のような回答があった。

新川帆立さんは「プロットは作らない」と明言した。しかし、その前後の話の中で、取材や書籍による情報収集は、可能な限り目一杯行うと発言されていた。新川さんは、小説家になる前は弁護士をされていたとのこと。おそらく、「言葉」を扱う能力がずば抜けているのだろうと感じた。

新川さんは、可能な限り入手した情報を取り込み、それを頭の中で整理すると、一気に本文を書き始めるとのこと。もし、筆が止まった時は、それには何パターンか理由があるけれども、大部分は資料の読み込み不足なので、更にインプットをすると話されていた。そして、それでも書けない時も、なんとか頑張って書き進めるそうだ。プロット無しで小説を書けるというある意味「天才肌」の側面がありつつも、泥臭い「根性論」の精神も持ち合わせている。私は、プロット無しでは書けないタイプではあるけれども、後者の泥臭い「根性論」的な、なんとしても「小説を最後まで書き上げる」という意識は、完璧主義に陥って筆が止まりやすい私にはとても重要な要素だと感じた。

それに対して、秋谷りんこさんは、それなりにプロットを作ると話されていた。A4の紙1枚程度のあらすじを書く。またその前段階として、入念にキャラクター表を作成すると言っていた。キャラクター表には、小説に出てこないことも含めてしっかり書くとのこと。それを書くことによって、キャラ同士の出身地が一緒なので、この2人なら同郷の話をするだろうとか、この特徴のあるキャラならこういう行動をするだろうという、小説の様々なエピソードが思い浮かぶようになるそうだ。また秋谷さんの作品は、複数の登場人物がいるため、どの話でどのキャラをどういう役割で配置するかを考えて、キャラクターの相関図のようなものも作るとのこと。私もプロットは入念に作るタイプなので、秋谷さんのアプローチはとても参考になった。

秋谷りんこさんは、その他にも昨年の創作大賞に向けて行った10個のことを、下記の記事にまとめてくださっている。とても参考になったので、折に触れて読み返したい。

その他に特に印象に残ったことは、小説を書くという行為は「読者とのコミュニケーション」であり、読み手に寄り添って書くことが大事だという話である。小説、特に私小説は、自分の自己満足のために書くことも多いだろう。しかし、商業の場に並ぶ本を書くということは、自己満足のために書く作品ではない。読者と対話し、読み手に配慮し、自分の伝えたいことと読者の受け入れられる一線の交わるところを探って、書くことが大事だとお二人は話していた。私は、ともすれば、自己満足のために書きやすい側面を持っているので、この話は忘れないようにしたい。

私の初めて書いた小説「ある朝の目覚め」は、残り2つの章の推敲をしている段階である。このあとに大きく改稿することは、考えていない。しかし、私は秋の公募に応募する小説を書きたいと考えている。新川帆立さんと秋谷りんこさんから教えてもらったことを活かして、第二作目の執筆を進めたいと思う。

最後になりますが、興味深いイベントを催してくださった、noteの関係者の方々と新川帆立さんと秋谷りんこさんに感謝いたします。ありがとうございました。今回の内容を元に、今後の創作活動を楽しみながら見直してまいります。

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