平凡
もしあの時、〇〇していれば。
もしあの時、〇〇だったら。
そんな、もう一つの人生を考えながら
生きる人たちの短編集
角田光代さん 平凡
すごく現実味と既視感がありありだったな
私もよく、
選んだことと選ばなかったことの狭間で
気持ちが迷子になることがある。
それって誰にでもあって、
すごく普遍的で、平凡なことだよなと
これまでの一つ一つの境遇や選択が
今の私をつくっていて、
何をどうしたって
今の私は今の私でしかなくて
そんなことはわかっているはずなのに
決して変えられない過去に
戻れない過去に
「もし」と思いを馳せ、
もう一つの人生を想像するのは
都合よく、
今の自分の幸せの解像度をあげたいのだろうし
今の苦しみを過去のせいにしたいのだろうな
(私の場合はね)
ただ間違いなく思うのは、
あの時の「もし」で選ばれなかった私より
今の私が幸せであってほしい
ということ
むしろ、幸せでなきゃいけない。
そんな責任感や義務感さえ浮かんでしまう
もう一つの、有り得たはずの
自分を生きることができなかったから
(伝われ…)
(そういう意味では
パラレルワールドは存在するのかも?
と、思えてくる)
選んだ道を正解にしていく!
みたいなことは全然言えなくて、
そもそも正解も間違いも
本当にないよな、と私は思うから
二元論の概念から離れたところに
心を据えたいな
ただただ人生は、数珠つなぎの過去を
否応なく背負い歩いていくということなんだろうな、と思った