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わたしとわたし以外の狭間で日々揺れ動く心たち。

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わたしとわたし以外の狭間で日々揺れ動く心たち。

最近の記事

人と、

いつも、何気なく 大切な人たちに使っている言葉があって 逆に大切な人から そんな言葉をふいにもらったとき、 まるでお守りのように感じて もうそれだけで 私はぐっすり眠れそうで 幸せってこういうことなのね。 生きるってこういうことなのね。 生かして、生かされて、 そんな日々の重なりで

    • 記憶の中の

      手先の器用な父はとても絵が上手だった。 大きなスケッチブックの中には 兄、私、弟3人を描いた絵が沢山つまっていて 私は幼いころから そのスケッチブックを見る時間が とても好きだった。 中学生の時に父と離れて暮らすことになり、 父の絵を見ることがなくなった私は、 16歳の自分の誕生日のお祝いに、 「父の描いた絵がほしい」と父に言いたかった。 でも言えなくて、 今でもそのことを覚えている。 なんでも話せる仲ではなかった。 (父が注いでくれる優しさ、愛情、威厳 それら

      • 夕暮れどき

        影に気がつく人でありたい 陰りを慈しむことのできる人でありたい そう感じた、影の造形美、夕暮れどき

        • 味方を見つける

          いつの日からか、雨が好きになりました。 昔から雨の香りに敏感で、嗅ぐと必ず少し億劫な気持ちになるのが常でした。 でも今は、あの香りがとても好きです。 決してスッキリとするものではないけれど、雨の時にしか感じられないあの密度の濃ゆい地球の香りは、妙に私の心を落ち着かせます。 おそらく私は、 ・自分の暗くて黒い部分と対峙することが増えたこと ・黒い部分の自分を受け入れ、愛せるようになったこと この2点が、私が雨を受け入れられるようになった理由だと考えています。 晴れ

          北国の春

          本当に、ようやく春だ。 2年前、北海道の寒冷地帯に移住した。 この場所では、5月に桜が咲く。 桜が咲いてようやく春を感じると同時に、これまでの春の記憶が思い出される。 過去の記憶はいつだって美しい。 皮肉なことに、時が経てば経つほど尚磨かれ美しくなる。 このことは、私を安堵させ、混乱させる。 春。 泣いてばっかり、悩んでばっかり、眠ってばっかり。 おさまらない耳鳴りに、全身の湿疹は1ヶ月経ってもマシにならない。 私の心と身体が一緒になって毒出ししようと頑張ってくれて

          北国の春

          風あたり

          先日、晴天の中 ロードバイクを漕ぎながら 風を浴びていたとき あまりにも風が心地よくて、 自分が今ここで何をしているのか 分からなくなってしまった いつの間にか私は生を受け、生きている そしていつの間にか、24年も経っている 何をしてたっけ?何をしているっけ? 何をしなきゃいけないんだっけ? そもそも、 しなきゃいけないことってなんだ? あるんだっけ? 狼狽える私をよそに、 それでも風は、私に問うんだ 「君はここで、何をしているの?」と

          風あたり

          花をみて

          名前のわからないお花を、見つめていたい。 目に留まったその美しさに見惚れていたい。 名前のわかるお花を、見つめていたい。 大切な人にだけ、その花の名前を教えてあげたい。

          花をみて

          平凡

          もしあの時、〇〇していれば。 もしあの時、〇〇だったら。 そんな、もう一つの人生を考えながら 生きる人たちの短編集 角田光代さん 平凡 すごく現実味と既視感がありありだったな 私もよく、 選んだことと選ばなかったことの狭間で 気持ちが迷子になることがある。 それって誰にでもあって、 すごく普遍的で、平凡なことだよなと これまでの一つ一つの境遇や選択が 今の私をつくっていて、 何をどうしたって 今の私は今の私でしかなくて そんなことはわかっているはずなのに 決

          4月1日

          生きてる意味とか考える夜 でも、どれだけ考えても 生きてる意味なんてなくて ただ、死なないから生きてるだけ わかったふりはしたくないな 焦りたくもない 時間は待ってくれないけれど、 ちゃんと感情に向き合って生きていきたい そうして、嘘も偽りもない自分に出会いたい 正直に、素直に、生きたい

          託す

          春だからなのか、 満月だからなのか、 はたまたホルモンバランスのせいか、 とても不安定な1日だった。 日々巡らせ飼い慣らしている思考たちが 頭の中で激しめのダンスをしていて 私は仕方なかった 言葉を吐き出したくて、仕方がなかった Instagram、note、X、 友人とのLINEのトーク、 それぞれに思考の扉を開け放った 友人はいつも、 取り留めもない私の思考を ただただ、聞いてくれる 適度な距離感で共感してくれたり、 肯定してくれたり、する 「満月や

          満月の夜に

          生きたい 生きたい、生きたい 生きたい生きたい生きたい生きたい 生きたい 生きたい 生きたいんだ 今、私に宿るこの命は きっと、私のものだけではない きっとずっと、 ずっとずっと大昔から繰り返される命 そして、 生命がこの世に息吹をあげたとき、 同時に生まれてくるもの それは、死 私たち人間は、 いつか必ず死ぬことがわかっているから、 生きたいと願うのかもしれない いつか必ず死ぬのならば、 今死にたい と思うのかもしれない 私はただ漠然と、生死につい

          満月の夜に

          確かな

          町のひと、 ひとりひとりとお話しするたびに 私の目の淵に溜まるものが 頬をポッと火照らせるものが 私に教えてくれる 私はいつも、私に教えられる もう、この地を離れるみたい

          落ちる

          わたしは 潜水艦のようなものから ストンと落ちた 落ちた先は、 川なのか、湖なのか、沼なのか あまり定かではないけれど 落ちた先は水だから、 私の身体は浮くだろう そう思い、ストンと落ちた しかし、落ちた私の身体は ずっとずっと底に沈んでゆくのだ あれ、どうしてだろう 意外と頭は冷静だった 生きることへの諦めも 少しばかりあったのかもしれない ゆっくりと底へ落ちていく時間の中で、 私は私を底に落としていく理由がわかった 私と一緒に落ちた、肩がけ鞄であった

          晩冬

          「何がしたいの?」 「将来の夢は?」 「どうしてそう思ったの?」 考えや思いを 言葉で表現することが苦手なわたしは、 いつも、苦しくなってしまう。 頭の中と口が上手に連携しなくって、 結果的に心がいっぱいいっぱいになって、 苦しくなる。 意味や言語化が求められる世界。 辛くなる時もあるけれど、 友人達が紡いでくれたことばで、 安堵できる時間がある。居場所がある。 「 無理にことばにしなくていいんだよ     そんな時もあるさ    雪が降って、いずれ溶