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【コンサルタントの読書log】ビジネススクールで身につける 会計×戦略思考(大津広一著)

こんにちは。
本日は最近読んだ本から得た学びや気づきを共有する読書logです。

今回の書籍

ビジネススクールで身につける 会計×戦略思考
大津 広一 (著) - 日本経済新聞出版


概要

BS(貸借対照表)やPL(損益決算書)などの決算書の読み方だけでなく「同じ業界において原価が高い企業と販管費が高い企業は、どのような戦略の違いがあるのか」など、会計知識と経営戦略を紐づけて説明している本です。

実際の企業の決算書を用いて説明されているため、具体的で実践的です。
名前を聞いてどのような事業かわかる企業のため、業界知識などがなくともイメージしやすく読み進められます。

人気ビジネススクール教授が教える「会計×経営戦略」のハイブリッド学習法。会計は、経営戦略と同時に学ぶことで理解できる。
トヨタ、ニトリなど、人気企業の決算書を「経営戦略」とリンクさせて読み解く!

ビジネスには会計数値を読み解く力=会計力と、企業活動を考察する力=戦略思考力が必要だ。
「WHY ? 」「SOWHAT ? 」の2つのキーワードで、決算書をロジカルに深く読み解き、2つの力を一度に身につけよう。

Amazon内容紹介より抜粋

おすすめな人

  • 就職活動中で企業や業界研究を行っている学生の方

  • 同業他社や取引先の分析を行う営業、経営企画、コンサルタントの方

  • 株・投資のために決算書から業界や企業の特性を読み解きたい方

気づき・学び

企業戦略・特性から決算書を想像する逆アプローチ

私は会計や決算書を読む場合、例えばPLを見て「粗利率が一般的な製造業よりも高いな」とか「販管費率が同業他社よりも高いな」など決算書そのものから分析をスタートすることが多いです。

もちろんそれもひとつのアプローチですが、こちらの本では以下のアプローチが紹介されています。言わば、上記のアプローチの逆です。

  1. 企業を想像する(企業活動の特性や戦略を考える)

  2. 仮説を立てる(それらが決算書にどのように表れているかイメージする)

  3. 仮説を検証する(決算書を読んで仮説との一致・不一致を確認する)

どちらかだけのアプローチではなく、往復・双方向から考えることの重要性を本で説明されています。

確かに企業戦略・特性を先に考えることによって、先に決算書を読むよりも、視点が増えて多くの気づきが得られると感じました。
コンサルタントの基本と言われますが、仮設思考・・・大事ですね(できていなかったので反省)。

Five Forces(5つの力)と決算書を関連づけてみる

マイケルポーターが提唱する「5つの力」とは、ビジネスの競争力を分析するためのフレームワークです。
例えば、サッカーの試合で競争するチームがあるとしましょう。そのチームが優勝できるかどうかを分析するために、「5つの力」がどのように関係しているのかを説明します。
1つ目の力は「競合他社の脅威」です。他のチームがどれだけ強いのかを考えます。例えば、有名な強豪チームがたくさん参加する大会では、優勝するのは難しいでしょう。
2つ目の力は「新規参入の脅威」です。新しいチームが参加してくることで、競争が激化する可能性があります。例えば、上位チームと同じくらいの実力を持つ新しいチームが登場した場合、優勝するのは難しくなるかもしれません。
3つ目の力は「代替品の脅威」です。他のチームと同じくらい魅力的な試合が他にある場合、観客はそちらの試合を選ぶ可能性があります。例えば、同じ日に別の試合がある場合、観客はその試合を観に行くかもしれません。
4つ目の力は「顧客の交渉力」です。試合の観客やスポンサーなどがチームに対してどれだけ要求できるかを考えます。例えば、多くの観客やスポンサーがそのチームを支持しており、きちんとした要求を出す力がある場合、チームは優位に立てるかもしれません。
5つ目の力は「取引先との交渉力」です。チームがスポーツ用具や施設を提供してくれる取引先との関係も大切です。例えば、信頼関係を築いている取引先がある場合、チームは有利な条件で取引を進めることができます。
以上が、「5つの力」についての例え話です。これらの力を分析して強化することで、ビジネスやスポーツチームなどの競争力を高めることができるでしょう。

AIアシスタント

ビジネスの外部・内部環境を分析、把握するにあたり用いられる「Five Forces(5つの力)」について、決算書のどういった点に影響があるのかも本書で説明されています。

例えば「成長率が低い業界では拡大=他社のシェアを奪う必要があるため、値下げを行なった結果、売上高が下がり粗利率の低下を招く可能性がある」などです。

Five Forcesについては知識としてもっていましたし、提案書等でも活用したことはあるのですが、決算書と紐づけて考えたことはなかったため、大きな気づきとなりました。

改めて損益分岐点分析

損益分岐点とは、ある事業や企業が利益を出すために必要な売上高のことです。
例え話を使って説明すると、あるお店を経営していると想像してください。お店で売っている商品の販売価格と、その商品を仕入れるための原価がありますよね。
損益分岐点は、お店の売上高が原価や経費をカバーできるラインのことです。つまり、売上高が損益分岐点を超えると、お店は利益を出すことができます。
例えば、お店の損益分岐点が1,000円で、商品の原価が500円、経費が200円とします。この場合、お店が商品を1つ売ると、売上高は1,000円になります。原価500円と経費200円を引くと、お店の利益は300円になります。
つまり、お店が1日に売る商品の数が損益分岐点を超えて、1,000円以上の売上高を作ることができれば、お店は利益を出すことができるということです。
損益分岐点を知ることで、事業の売上目標を立てることや、利益を出すための取り組みを考えることができます。

AIアシスタント

筆者の調査によると日経新聞で「損益分岐点」を取り扱う記事数が、コロナ前に比べてコロナ禍では増えたそうです。

新型コロナの突然の拡大により、多くの企業が赤字に陥った。(中略)こうした不確実な時代にこそ活きる、損益分岐点に関わる2つの重要な指標を紹介しておきたい。(中略)これらの指標を計算しておき、経営環境の変化に備える準備として欲しい。

大津 広一著 ビジネススクールで身につける 会計×戦略思考より

知識としては「損益分岐点」を知っていたけれども、「経営環境の変化に備える準備」として考えたことはありませんでした。

さいごに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、下記の書籍から得た学びや気づきについて共有いたしました。
慌ててクライアントの決算書引っ張ってきて、計算・分析したことは内緒です。
今後も読んだ本については定期的に共有していきたいと思います。


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