容体が急変→救急搬送とは限らない!介護を通してわかった看取り方とは?
一般病院は「病気を治療するところ」
昨年の10月、血糖値が800を超え(正常値は80~110未満)緊急入院となった姑。一時は死の淵をさまよいましたが、治療の甲斐あって、退院できました。
姑は入院の数日前、癌の末期とわかり、余命宣告も受けたところでした。
退院前に担当医師から話がありました。
「異常に高くなっていた血糖値は、正常とまでは言えませんが、何とか(死なない程度まで)下げることができました。」
「残念ながら癌の進行を止めることはできません。抗がん剤治療をしたとしても、お義母さんの場合は苦しいだけです。効果はほとんどないと言っていいでしょう。」
「ここの病院では、患者さんに対して何らかの「治療」をしないといけないことになっています。なので、手術、治すための薬の投与など、お義母さんにとって必要のない治療をおこなうことになるかもしれません。」
「痛みをできるだけ抑えて、穏やかに残りを過ごされたいのでしたら、この病院よりホスピスに入院されるほうがいいでしょう。他に在宅で緩和ケアという方法もあります。」
私は在宅で姑の緩和ケアをすることに決めました。
8年前に怪我で(家の外の階段から落ちて)半年入院した際、ストレスで鬱になったことがある姑です。どんな状態になっていくのか想像できませんが、姑の気持ちを考え、家でやれるところまで介護しようと決めました。
ホスピス(終末期の病院)見学でわかったこと
「どうあろうと、ホスピスは見学しておいてください」
姑が入院していた病院の担当看護師さんから強く見学を勧められ、見学に行きました。
ホスピスは全個室でした。
部屋代は無料から1日1万円以上!の病院もあります。
一般病院の中に「緩和ケア病棟」として設置されている場合もあります。
基本的に治療はしません。
入院すると、朝必ず体温や血圧を測るのが常識だと思っていましたが、
見学したホスピスはそういった計測も「一切なし」でした。
することと言えば、とにかく痛みをとること。
薬の投与は、痛みをとる目的で使用されます。
出来るだけ穏やかに楽しく過ごせるよう、参加できる人には色々なリクレーションがあります。また、自由に行ける喫茶コーナーもありました。
特に勉強になった説明が2点ありました。
★食欲がない癌患者に対し、家族が心配して「点滴で栄養を入れてください!」と医師にお願いするケースが多いそうです。私もそう思っていました。しかし、その栄養はがん細胞に栄養を与えることになってしまい、かえって患者さんを苦しめることになりかねないと、医師から説明がありました。
★ホスピスは、家庭では看ることが難しくなり、最後の手段で入院させるばかりではありません。介護者が暫く体を休めるために一時的に利用することもできると、看護師さんから説明がありました。
(全部のホスピスがそうだとは限りません。確認が必要です)
部屋代が無料のホスピスは満員でした。
「入院は申し込み順なので、今後入院されるかどうかに関わらず、とにかく申し込みだけはしておいてください」と、ホスピスの看護師さんからお聞きし、一応申し込みました。
訪問診療(往診)と訪問看護をお願いしてみて
かかりつけの近所の内科で、訪問診療(往診)と訪問看護の両方をやっていると聞き、すぐに申し込みました。
週に2回、看護師さんが家に来られます。
簡単な検査の後、姑をお風呂に入れてもらっています。
お風呂が無理な場合は、体を拭いてもらっています。
状態の変化に伴う痛み止めや便秘の薬の調整が難しく、看護師さんのアドバイスがいつも助かっています。
2週間に1回医師の往診があります。
往診の後、薬を処方してもらい、薬局の人が家まで届けてくださいます。
訪問看護ステーションは24時間電話で相談できます。本当に助かっていて、姑の体の痛みが治まらないとき、夜中でしたが何度も電話をし、薬や手当の方法を教わったことがありました。心強いです。
私の説明では判断ができない場合は、直接家に来てくださることもあります。
訪問のお医者さんや看護師さんと理想的な関係の楽愛夢さんの「看取り」計画が勉強になった
アメブロで交流がある楽愛夢(らあむ)さんは、90代のお母様を長年献身的に介護されています。
「もしもの時の対応策」というテーマでブログを書かれていました。
お母様の今後のことについて、また、もしもの時にどのように対応すればいいのか、訪問診療のお医者さま、訪問看護ステーションの看護師さんと話し合いをされた内容が勉強になりました。
>もしもの時は
直ぐに訪問看護ステーションに電話
そこから
主治医やケアマネさんへと連絡
すぐ駆けつけてくれる
と言う流れで行く事になりました
(原文から引用)
我が家の順番と全く同じでした。(なんか嬉し~)
救急車を呼んだ場合、無理やり薬を投入されたり、心臓マッサージなど、
すでに姑には必要ない「治療」を施されることになりかねません。
もしもの時の対応について、私は訪問看護の看護師さんやケアマネさんと、個別にちょっと話しただけです。
楽愛夢さんの場合は、医師も交え、皆さんで話し合いの場を設けられたことが素晴らしいな!と思いました。
何が何でも病院へ運ぶ施設の事情
>デイサービスに行っている時にはどうするか?
普通はやはり緊急時は救急車を呼んでしまうそうです
(原文から引用)
上記の楽愛夢さんの文章から、ケアハウスにいた実家の父のことを思い出しました。
父には持病があり、実際にはケアハウスの部屋で亡くなったのですが、
施設の人からは、
「今、お父さんを病院に運んだのですが...」と、(なんだか煮え切らない言い方の)連絡が来ました。
「お部屋で亡くなったということになると、警察が捜査に入ることになってしまいますので...」
後のケアハウススタッフさんのこの言葉で(救急搬送したかどうかは聞いていませんでしたが)看取りは出来ない施設だと、初めて知りました。
看取りができる施設の条件
看取りを行うためには、介護保険法の定めによって下記の条件を満たしている必要があるそうです。
常勤看護師を一名以上配置し、施設または病院等の看護職員との連携による24時間の連絡体制を確保していること
看取りに関する指針について入所者・家族に説明し同意を得るとともに、看取りの実績を踏まえ適宜見直しを実施していること
看取りに関する職員実習を実施していること
医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断していること
他職種が共同で作成した介護に関する計画について、入所者又は家族の同意を得ていること
看取りに関する指針に基づき、他職種の相互の連携の下、介護記録等を活用し、入所者・家族に説明していること
*(参照元:厚生労働省 「介護老人福祉施設の報酬・基準について」)
まとめ
★病院の目的や方針(治療なのか緩和ケアなのか)を確認する
★高齢者施設を選ぶ際に、看取りができるかどうかを確認する
★介護する場合は「もし介護できなくなったら」も想定して手を打っておく
★延命治療か?尊厳死か?できれば事前に本人に意志を聞いておく
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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