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モチベの上がらない受験生
意識が高いからこそ悩んでしまうお話です。
(note初期にも書いてます)
もうすぐ就職活動が本格的に始まるという大学生からLINEがきました。塾講師時代に担当していた教え子です。大学合格後に講師として塾に戻ってきてくれたので、短い期間でしたが一緒に講師をしたこともありました。
その教え子は、大学時代にたくさんのアルバイトや社会経験を積んだせいか、私と勉強したり講師をしたりしていた時の事を掘り返すのも失礼なほど、しっかり者になっていました。
その子は受験生だった年の6月頃、
モチベが上がらない
といつもぼやいていました。
私は内心、
モチベが上がらんとか言ってる暇はないやろ、モチベがなくてもやらんかい
と思っていました。また、もう少しで本人にそう言うところでした。
ただ、そう叱ってしまいそうな気持ちを堪えて、その子を観察したところ不思議な気持ちになりました。それはなぜかというと、
その子は毎日自習室にも来ていたし、単語テストなどのやるべきことは確実に突破できていたからです。
本当にモチベに問題があるなら、毎日塾に来ることも、小テストを突破することもできないだろう、ということは本当はモチベも充分あるのではと私は推測しました。
そこで、本人に
なんで、こんだけ頑張れてるのにモチベないと思うん?
逆に聞くけど〇〇にとって、モチベが高い状態ってどんな状態?
と聞いてみました。すると本人は答えました。
目的があって、それに向かって努力できる人、例えば、お医者さんになりたいから医学部に行きたくてそのために努力できる人はモチベが高いと思います
でも私は、将来の目標もないし、なりたいこともないし、ただ目の前のテストのためにしか頑張れないからモチベが低いんです
と答えてくれました。私は返しました。
そんだけ考えてるってめっちゃモチベ高いやん
しかも、その論理でいくと世間の受験生の8割くらいはモチベ低いことになるで
と答えました。
この記事と少し矛盾して感じられるかもしれませんが、結局目の前のことに全力になれる人は強いと感じた出来事でした。その子は受験にも成功しました。
私が得た教訓は、2点です。
1つ目は、同じ「モチベ」という言葉でもイメージする状態は人それぞれということ、
2つ目は、意識を高くもっているからこそ挫折感や劣等感のようなものを感じている人がいるということ
です。
どちらも指導者こそ念じておかねばならないことだと思いますし、もがき苦しんでいる時にも勇気づけてくれる考え方だと思います。
個人情報に響かない範囲で、今後も教訓を語り継ぎたいと思いました。受験合格後に本人に許可をとって、高校で指導する上でもこの出来事は用いていました。今にも通づる学びです。