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作家志望のライターなのに活字が読めなくなった話

幸せそうな報告だが、なんとこの三ヶ月後には、私はせっかく就いた仕事を休職してしまうのである。


就職からの休職。そして活字が読めなくなった

昨年三月、私はコピーライターとしてとあるデザイン会社に就職した。
しかし残念ながら、そこは私に合う環境ではなかったらしい。
詳しいことは書けないけれど「この場所では自分の力が出せないな」「ここにいるのは私じゃなくてもいいんだろうな」と感じた。
そうした不安と身体的な疲れもあり、六月には休職期間に入った。

それから二ヶ月。少し余裕も出てきたので、これまで読めなかった本でも読もうと考えた。いつも通りページを開く。
すると、何故か嫌悪感に似たものがあり、すぐにページを閉じてしまった。
文章で表現すると「目がチカチカする」が一番近いだろうか。内容が頭に入ってこない。
そこで「活字 頭に入ってこない」などで検索をしてみた。そこには「識字障害」とある。いや、私は先天的に活字が読めないわけではないのだが……。
と思いTwitterで発言したところ、友人からメッセージがあった。
「それ、メンタル不調だよ」
よくよく聞いてみると、私と同じように突然活字が読めなくなってしまった友人は、複数人いた。通っていたメンタルクリニックでも聞いてみると「うつとかの症状でありますね」とのことだった。

活字が読めないので、こうしてみた

ライターだったのに、作家志望なのに、活字が読めない。これは、大きなショックだった。
しかし、やがて「書きたい」という欲は出てきた。応募したい新人賞があったからだ。そこで小説を書きはじめたところ、ゆっくりだが書くことはできるらしい。
そこで私は、書いた文章を「読めないから読んでくれ」と仲のいい後輩に託した。書いた小説の感想を聞くことはあっても、誤字脱字すら直さない状況で人に見せたのははじめてかもしれない。
「一人で書いていると思っていた小説だけれど、一人でつくれるものなんて限度があるんだ」とあらためて感じさせられ出来事だった。

そして文章を書いたり試しに読んだりしているうちに、「文字を大きくすればよい」「ゴシック体だとストレスが少ない」などの気づきが出てきた。文字については電子書籍やWordであれば、調整ができる。
今はかなり読めるものも増えてきたが、ものによってはストレスを感じる。しかもその本が読めるかは、本を開いてみてみるまでわからない。とてもやっかいだ。

なによりメンタル不調で活字が読めない人は少なくないはずなのに、それを救う情報は少ない。当事者が発信していくことで、誰かの救いになればと思う。


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はやし。
読んでいただいてありがとうございました! どんな記事でも、どんな反応をいただいても、おすすめ聖飢魔IIが出るようになってます!DEVIL BLESS YOU!

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