~現代栄養学とアーユルヴェーダの食事学~観点の違い

現代社会では、スーパーフードや健康補助栄養食などのサプリメントが数多く出回っていて、健康への関心が高まっているように思います。

栄養学においては、カロリーや栄養素を基にして食事のバランスを摂るようにという流れがありますが、アーユルヴェーダの食事学とは何がどう違うのか解説していきたいと思います。

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西洋医学的な観点では、食べ物のカロリーや栄養素といった「数値化」できるものに焦点を置いていますが、アーユルヴェーダではどちらかというと「目に見えないが確実に存在しているエネルギーの質」に焦点を当てています。

このエネルギーの質にも種類があります。

まず、アーユルヴェーダをご存じの方にはよく知られている「ドーシャ」。

5大要素である

空・風・火・水・土

これが私たちの外界(外の環境)と内界(肉体や精神)を構成している、というのがアーユルヴェーダの世界観です。大宇宙のなかにも我々一人ひとりが小宇宙として存在しているのです。

季節というのは、この5大要素が大気中で変遷していく為に移り変わっていきます。

ドーシャとは、この5大要素の組み合わせのことをいいます。
そしてそれぞれ異なる性質を持ちます。

ヴァータ:空・風
冷たく乾燥。不規則性や粗さ、軽さ。

ピッタ:火・水
エネルギッシュで鋭い。熱く湿っている。油性。

カファ:水・土
冷たくて湿り気があり、重い。構造的。安定性や規則性。

例えば
冬はヴァータが増える季節であるので、大気中は乾燥し、冷たいですよね。
ですから私たちの体は、体を温めるスープなどの温性(冷たい質とは反対)を欲します。
身体は、寒さから身を守る為に体温を保とうとして、エネルギーをたくさん必要とします。その為食欲も増え、その分他の季節より多めに食べる必要があります。

この時に注意して頂きたいのが、大気中に増えたヴァータが、私たちの内側にも存在するヴァータを乱してしまうことです。そして、このヴァータを抑える反対の質を多く摂るようにしましょう、というのがアーユルヴェーダの教えです。

軽い質の反対である重い質。
冷たい質の反対である温かい質。
不規則性の反対は規則性。

これらを意識して、食事を変えていくのです。
少し重めのシチューやグラタンなど。お餅をいれたお鍋も良いですね。
食事は規則正しく、同じ時間帯に毎食食べるようにし、消化をサポートするために適量のスパイスを使って料理をする、お腹がすいたら間食もする等、考慮していきます。

季節の食事について例を挙げましたが、ご自身の生まれ持ったドーシャのバランスや、乱れたドーシャを意識して日頃から食事や生活をする、というのも大事な要素になってきます。

生まれ持ったドーシャのバランスをプラクルティ。
乱れたドーシャのことをヴィクルティといいます。

アーユルヴェーダでは、自分の体質や不調を把握すること&その根本的な整え方を示してくれるのです。その中で大きな柱となるものが食事なのですが、食事だけでなく生活習慣なども整えていくことがとても大事になっていきます。

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さて、ドーシャのお話が長くなりましたが、次にお話しするエネルギーの質は「グナ」と呼ばれるものです。

これは、食べ物だけでなく、外界に存在するすべてのものを司るエネルギーであり、私たちの精神に大きな影響を与えます。

グナには

サットヴァ:純粋性
ひらめきや興味心、調和や真理を司るエネルギー
信心深く真理を探究する者、普遍的な愛をすべての生きとし生けるものへ向けられる、他者貢献をする

ラジャス:動性
サットヴァで作られたもの(アイデア・想念)を実際に行動していくエネルギー
先ばかりに目がいきやすいのでビジネスパーソンや政治家に多い
不安症

タマス:鈍性
物事の終わりを司るエネルギーで、タマスなしでは眠りにつけない
タマスが強いと自己中心的で、他者を破滅させても構わないほど利己的
憂鬱的、腰が重い

の3つがあります。
私たちにはこの3つのグナがどれも必要なのですが、
そのバランスが大事になってきます。

アーユルヴェーダでは、サットヴァな質を高める生活することが大前提。
何故なら、過剰なラジャスとタマスが病気を引き起こすと説かれているからです。(自然の摂理にそぐわない、様々な間違いを犯してしまう為)

食べ物には、ドーシャだけでなくグナのエネルギーもあります。

サットヴァな質の食べ物は、

新鮮な旬の食べ物を調理したてで食べること(なるべく地産地消)
消化に優しい軽い質

などが挙げられますが

アイテムとしては、お米やギー(精製されたバター)、新鮮な果物などです。

野菜にはラジャスとタマスなものもありますが、決して食べてはいけないわけではありません。バランスが大事なのです。

ラジャスで代表的なものは、にんにくや生のたまねぎ、豆類。

タマスで代表的なものは、キノコ類やかぼちゃ。肉類魚介類。(すべての動物性の肉)
その他注意してほしいのは、作り置きや冷凍食品、レトルトなどの加工食品全般です。
加工食品は特に、添加物のことも考えるとすぐにでもやめてほしい食品です。。

忙しいなかで生活する私たちにとっては、毎食作って食べることは難しいですが、できるだけ手作りで、その日のうちに作ったものはその日のうちに食べることが望ましいです。

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では、どうして作りたてがいいのか?

それは

「プラーナ」

が豊富だからです。
このプラーナは、ヨガをしている方には馴染みがあるかもしれません。

生命エネルギー、英語では Life Forceと呼ばれます。

これは大気中やすべての生きとし生けるものに存在しており、私たちもこのプラーナによって生命を維持しています。
ヨガの呼吸法をすることによって体内にプラーナをたくさん取り入れられる&その流れが活性化するとされています。

食材には、新鮮であればあるほど、旬であればあるほどプラーナが多いです。(大地の恵みから育った植物は、生命力も高いです。)

食材を切って調理した際に、食材のプラーナだけでなく、作った人の真心や愛情も、調理過程にエネルギーとして追加されます。
「おふくろの味」とはそうゆう所からも来ているのではないでしょうか。

逆に言ってしまえば、作っている人がイライラしていたりすると、そのエネルギーまでもが食べ物に伝達されてしまい、少なからず私たちに影響を及ぼすとされています。

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さて、ここまでエネルギーのお話をしてきましたが、アーユルヴェーダはまだまだ奥が深いのです。

西洋の栄養学では、カロリーや栄養素を重視すると言及しましたが、最後にとても大事なお話をしていきます。

それは何かというと、

「消化力」

です。

どんなに栄養価が高く、バランスの良い、サットヴァな質の食事を作ったとしても、自分の体がそれを消化する力がなければ意味がありません。

この消化力はアグニと呼ばれていますが、

アグニは様々な理由で上がったり下がったりします。

これについてお話すると、また長くなってしまうので笑

また今度にしたいと思いますが、

とにかくこのアグニが低いと消化吸収が効率的ではなくなるので

食べた物が未消化になり、毒素まで作り出されてしまうので要注意です。

少しでも為になった、面白いと思ってくださった方は
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それではまた!

ナマステ


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