集中の向こう側の世界。
ロックバランシングをやっているとよく
「凄い集中力ですね」
「忍耐強いですね」
って言われることがあります。
でも、私はその言葉があまりピンとこないんです。
なぜなら私はただ単に好きなことをしてるだけであって、その好きな『瞬間』を重ねてるだけだから。
例えるならラーメンを食べる時に麺もチャーシューも卵もスープも好きだからそれらを1つ1つ丁寧にゆっくり食べる感じ。
麺は1mmずつゆっくりゆっくり100回ぐらい咀嚼しつつ、どんな人がどんな方法で麺を打ったかを想像し、
チャーシューは肉の繊維を1本1本割くようにしながら、どんな牛と牛が恋をして、生まれてきた仔牛はどのように育ったのかを想像し、
卵は黄身と白身を分けながら、卵になる子とヒヨコになる子の差は何なのかを考えながら、
スープは混ざってる液体1滴1滴を舌の上で分解して、その1つ1つの味を丁寧に感じて、そしてまた1つの味にまとめたスープをゆっくり気管に通しながら飲み込む。
そんな感じです。
ラーメンの具材を噛まずに一気に飲み込むようにお腹に入れてしまうと味もそこそこにしか感じることができません。
満腹感だけを得るのが目的ならそれもありかもしれませんが、私はゆっくり吟味したいんです。
そうなんです。
私はロックバランシングをしてる時は自然の中でいろんなことを吟味しながらやってるんです。
私がロックバランシングをしてる時は周りの全てがゆっくりと動き、地球が止まって見え、自分自身が風、太陽、水と繋がり、いわゆる『ゾーンに入る』ってます。
『ランナーズハイ』ならぬ、
『バランサーズハイ』の状態です。
そういう時によく『無になるんですか?』とも言われるんですが、頭が空っぽになる『無』ではなく、心が無限に広がる『無』に近い感じかなと自分では思っています。
まぁ、こんなこと言ってますがまだまだ道半ばです。
私の石道はまだまだまだまだ続きます。