次男の卵焼きとお芋掘り
10月某日、次男の、社会見学という名のお芋掘り遠足があった。
彼は最近、たまのお弁当dayに自分も早起きして、自分でおかずを詰める!ということを楽しみにしている。
この日も、最初は「ママと一緒に起きてお弁当全部作る」と張り切っていたが、さすがに5時起床は早過ぎたようで(私はたまにしかないお弁当作りが心配なので、設定時間がかなり早め)、弱々しい声で「30分たったらもう一回起こして‥卵やきはオレが作るから」と言って、布団にもぐっていった。
そして5時35分、次男(今度こそ)起床。
起きてくるなり何故か「ワンピース」の話をし始める。次男、ごめん、今はそれじゃなくてお弁当お願い。ママこの後まだ洗濯もあるから。
パジャマの上からパーカーを羽織り、手を洗う。
お弁当の時にしか登場しない、卵焼き用の四角いフライパンに火を通す。最初の油は多めでね。
「オレ卵割るから」
分かった。味付けは?
「味付けもオレする」
了解。
お砂糖を入れると焦げ付きやすそうなので、小さい軽量スプーンと白だしのボトルを渡した。神妙な顔つきで計る次男。卵も自分で割って溶く。おっと、殻が混ざってしまったようでこれまた神妙な面持ちで取り除き始めた。なかなか取れなくて最後は指でいった。
じゃ、火つけるよ。
「ママ、最初は中火やろ。それからいちばん弱くやろ。」
自分からやりたいと言うだけのことはあり、前回の手順をよく覚えている。フライパンを持つ手つきも安定している。途中、菜箸が扱いづらそうだったのでフライ返しを渡してあげた以外は、ほぼほぼ一人でやり切った。綺麗な卵焼き!
「‥できた‥。切るで」
待って、切るのは冷めてからにしよ!
料理は経験だとつくづく思う。私が彼のように美味しそうな卵焼きを焼けるようになったのは、おそらく30歳過ぎてからだとも。
次男は自分でご飯を詰め、プチトマトを洗い、私の作った他のおかずも詰めて(あ、そう言えばピーマンも自分で炒めていた)、朝からドヤ顔で長男に自慢していた。
「ママがさー、オレが卵やき作るの上手やからってさー、『もうママ何もせんと隣でコーヒー飲んでるわ』ってコーヒー飲んでた!オレまだ3年生やのに!ママもう何もせんでいいって!」
どんだけ。
午前7時半、出発。
「晴れてるし、風邪もひいてないし、お弁当も入れた。第3関門まで突破!後はいちばん難しい第4の関門だけや‥」
第4の壁、それは‥登校中のケガ‥!
「行ってきます!」
くれぐれも気をつけてね!!!
忘れ物がないことを確認し、私も出勤した。
その日、小学校から電話がかかってくることもなく、彼は無事に校外学習に向かったようだった。良かった良かった。
多分、これからもしばらく、遠足のたびにこのドキドキを味わうことだろう。
午後3時。長男が帰宅する。
宿題をしながら文句をたれている。なんで次男は遠足あるのに5年生はないん?オレが休んだ日の給食は◯◯と◯◯でめっちゃいい日やったのに(何か忘れたけど人気メニューだったらしい)、次男が遠足でいない時の給食は⬜︎⬜︎なん?(何か忘れたけどそんな好きじゃなかったらしい)ずるいわー。
そんなん、全然大したことちゃうやん、という大人の感想は、小学生男子には届かない。
5年生だけ連合音楽会もあるし、その日帰ってくんの遅いし。ブツブツ。
長男の文句を聞きながら、小学生に戻りたいなと一瞬だけ思ってしまった。その日の給食メニューに一喜一憂して、漢字の宿題やってゲームして、明日の時間割りを合わせて、寝る。でもそう思うのは、私が大人になっちゃったからだ。
次男が帰ってきた。
「疲れたー」
お帰り!お芋掘りどうやったー?
おおー!
いっぱい虫がいたらしい。
◯◯くんは、大き過ぎる芋と格闘して、結局持って帰ってこれなかったので、(他にも持って帰れなかった子には)後日届けてもらえるらしい。
300円以内で、市内で採れたお野菜や果物を買ってもよい活動で、⬜︎⬜︎くんは、柿を2個買ったらしい。
次男は?300円で何買ったの?
「オレはねぇ‥」
よっ、この買い物上手!
この日の夕飯は、大根と鶏肉の煮物、爆速電子レンジで無限ナス(ふらおさんレシピ。次男に茄子どうやって食べたい?と聞いたら、これがいいとリクエストがあった)に決定。大きな大きなさつま芋は、何にしても良いとのことで、天ぷらになった。
さて食事中のこと‥
「美味しい!」
美味しいね。
今日はごま塩にしたけど、お芋の天ぷらはゆかりふりかけも美味しいよ。
明日、他の友だちにも、お芋どうやって食べたか聞いてきてよ。参考にするから。
「あ、そう言えばお芋って、しばらく置いておいた方が美味しいんやって」
そういうことは先に教えてーー!!
翌日、実家の母からも、LINEでメッセージがきた。
お芋はありがたいことにまだあったので、残りはしばらく寝かせてから、無事さつま芋のクリームシチューになりました。
🔸第四の関門にひっかかった日のこと
🔸無事に関門突破したが別の難所があった日のこと