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思わず引き込まれた話のまとめ

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ついつい語り口に引き込まれて最後まで読んで感服した話のまとめ。
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2024年3月の記事一覧

ウォーキング in パリ②【CAFE JOYEUX】〜世界多分一周旅フランス編〜

パリ散歩の続き。 一つ目の目的、オーダーメイドで注文していたブレスレットを無事受け取り、二つ目の目的へ。 2023年5月2日、春のいいお天気の日だった。 来たかったのは、とあるカフェ。 何かの本で紹介されていたのを数年前に目にして、ぜひ行ってみたいなと思っていた場所である。 そこは「CAFE JOYEUX(ジョワイユー)」というカフェ。 20代の頃、私は精神障害者の作業所(当時の呼び名)になっていたカフェで働いていたことがあり、自分にとってそういう障害者就労の場は身近な

ウォーキング in パリ ①【マレ地区、エッフェル塔】〜世界多分一周旅フランス編〜

長い前置き旅行記は新鮮な方が、その勢いでぶわーっと書けるから性に合っていたので、これまでは基本的にそうして書いてきたのだが、今、10ヶ月前の2023年5月2日の出来事を思い出して書こうとしている。 11ヶ月間の世界多分一周旅の日々の出来事を細かく綴ったメモは、大量に手元にある。 それを見ながら、思い出してもう一度脳内で旅するのも悪くない。 そんな訳で、2023年の5月2日のたった1日だけうろうろと歩いたパリの1日についてここで書いて(長くなったから①②に分けた)、それに続い

淡雪日記

2月某日 湯あがり、散歩に行く。 朝の林。恋い交わすような鳥の声を聴く。 3月某日 絵を贈っていただいたお礼に、プレゼントを贈る。 ガラスでできた、小枝のかたちのカトラリーレスト。お箸を置いても。ペンや、絵筆でも。 大切なものをひととき休ませる、とまり木になってくれたら。 3月某日 ここにいつも、ジョウビタキがいるんですよ、と見知らぬおじいさんに教えてもらった場所に、今日も鳥はいなかった。幻のジョウビタキのすがたを想う。おじいさんのほうが幻だったのかもしれない。

絵画 『View』

星は、しずかに瞬いていますか。 海は、やさしく凪いでいますか。 あなたの眼にうつる景色は、 あなただけのもの。

つれづれ雑記*或る名コーチ、の話*

 小学生の頃、バレーボールをしていた。  当時は、決して好きでやっていたわけではない。どちらかというと嫌いだった。    なぜ、好きでもないバレーボールをしていたかというと、それには今では何だかよくわからない事情があった。  私が小学生時代に住んでいた地域は、昔からの農村と新興住宅地が混在していた。  広い小学校の学区内には、2つか3つの町と、幾つもの、うーん、町名以下は何と呼ぶのかな、字(あざ)とでも呼ぶのだろうか、そういう地域がたくさんあった。  もちろん、今と違って児