魚の波に乗れ!トルコの食卓革命 - インフレに負けない新しい食文化
こんにちは!トルコというと何を連想しますか?
カッパドキアやイスタンブールの美しい景観、そして数多くの世界遺でしょうか?オスマントルコ帝国の雄大な歴史でしょうか?
それともトルコ風呂?あれは本当は、中東の都市でみられる伝統的な公衆浴場であるハンマームだったけど、日本で1953年頃に現れた個室式特殊浴場を指す性風俗用語として定着してトルコの人に超怒られて改名に至ったのです。あれは黒歴史なので忘れましょう。
やはり最近ですとトルコと言えば、ケバブやキョフテなど肉料理が有名ですよね。肉汁じゅーじゅー。
トルコの食卓に異変あり!
しかし、ここ数年で状況が大きく変わってきています。
世界的なインフレの波がトルコにも押し寄せ、特に食品価格の高騰が市民生活を直撃しています。
肉類の価格は過去2年でおよそ3倍に跳ね上がり、多くの家庭で肉料理を食卓にあげるのが難しくなってきています。イスタンブールのある精肉店では、鶏肉の価格が3年間で10倍にも上昇したと報告されています。
その結果、トルコ人の食生活に興味深い変化が起きているのです。
魚料理専門店の急増!イスタンブールの新たな食のトレンド
イスタンブールの繁華街を歩いていると、最近増えてきた店舗に気づくそうです。そう、魚料理専門店です。以前はケバブ屋さんばかりだった通りに、新鮮な魚介類を看板に掲げる店が次々とオープンしているのです。
人気店の一つ、「バルック・エヴィ(魚の家)」では、エーゲ海産の鯛のグリルが大人気メニューになっています。オーナーのメフメットさんは語っていました。
「2年前は肉料理がメインでしたが、今では売り上げの7割が魚料理です。お客様の反応も上々で、特に若い世代に人気があります」
政府も本腰!魚消費促進キャンペーンを展開
このトレンドを後押ししているのが、トルコ政府の取り組みです。農業・林業省は「バルック・セフェルベルリイ(魚キャンペーン)」を立ち上げ、魚の消費促進に力を入れています。
キャンペーンの一環として、全国の学校給食に週1回魚料理が導入されました。また、スーパーマーケットでは魚コーナーが拡大され、調理済みの魚料理パックも充実。忙しい現代人でも手軽に魚を食べられるよう工夫されています。
農業・森林省のドゥルガイ・トゥルキルマズ局長は次のように述べています。
「最も大事なことは魚を手に入れやすくすることです。魚の生産量は予定通り増加しています。魚、そして海産物はインフレ対策のカギなのです。」
家庭の食卓はどう変わった?一般市民の声
一般市民からも最近の家庭での食生活について以下のような声が上がっています。
「以前は週に3-4回は肉料理を食べていましたが、今では週1回程度です。代わりに魚を食べる機会が増えました。子供たちも最初は抵抗がありましたが、今では魚料理を楽しみにしています」
「肉の値段が2倍以上になって、家計を圧迫していました。でも魚なら比較的安く済むんです。特にハムシ(小型のイワシ類)などの小魚は安くて栄養満点。家族の健康にも良いし、財布にも優しいですよ」
魚文化の広がりがもたらす新たな可能性
魚食文化の広がりは、単に食卓の変化だけでなく、トルコ社会全体に良い影響を与えています。
健康増進:魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、心臓病や認知症のリスクを下げるとされています。
環境への配慮:畜産に比べ、魚の養殖は環境負荷が低いとされています。
地域経済の活性化:沿岸部の漁業従事者の収入増加につながっています。
食文化の多様化:新しいレシピや調理法が生まれ、トルコ料理の幅が広がっています。
インフレがもたらした意外な恩恵
トルコは豊富な海洋資源を持ちながら、伝統的に肉料理が好まれ、魚の消費量は比較的少ない国でした。
特に、インフレが進行する中で肉類の価格が急騰し、過去2年間で約3倍に達したことから、魚が新たな栄養源として注目されています。これにより、魚料理の需要が高まり、家庭での魚料理の普及が進んでいます。
肉から魚へのシフトは、単なる節約策ではなく、健康や環境、そして地域経済にも良い影響を与えているのです。
トルコの食卓革命は、困難な状況下でも人々が柔軟に適応し、新たな価値を見出せることを示しています。今後、この魚食文化がどのように発展していくのか、そしてトルコ料理にどのような変化をもたらすのか、目が離せません。
正直お肉が駄目なら魚を食べれば良いじゃないのと言えるのは、両方お高い日本の僕から見るとちょっと羨ましいくらいなのですよねえ。旬の寒ブリとかカニとか食べたいなあ。
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軽佻浮薄だがバカではない
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