『アンビュランス』は偏見をテーマにした“シュレーディンガーの救急車”
コレ凄いッ!凄いヨ!この映画!
観ようかどうか迷ってるなら、すぐに観るべき!
スクリーンに映るものを全て破壊したい映画監督ことマイケル・ベイ!
今アカデミー賞のビンタで話題沸騰中のウィル・スミスと、マーティン・ローレンスの警官コンビ映画『バッド・ボ-イズ』のデビューから、ありとあらゆる大小様々な物質を破壊、爆破してきたこの男の最新作は、銀行強盗が逃走中に乗っ取った重症患者付き救急車のカーチェイス映画!
『アンビュランス』
もうこの情報量の大洪水の時点で最高に面白そうだろう!?(ツッコミどころは多々あるが、まあいい!)
これが最高に面白いんだよ!(今作がデンマーク映画のリメイクという噂もあるが、まあいい!)
しかも!ベイ映画には単純明快なストーリーと破壊だけしかないと思っている方々が多いようだが、この映画は意外に深いのです!(←完璧に偏見です)
この映画のテーマの核には、ある種の “偏見” というテーマがあります(ええ、“偏見”というワードで畳み掛けましたよ!)
それは人種という視点からでもあり、善悪という概念からでもあり、家族という要素からでも描かれています。
もしこの映画にサブタイトルを付けるとするならば「シュレーディンガーの救急車」にします!
ちょっと話はズレますが、皆さまは「シュレーディンガーの猫」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは量子力学の有名な思考実験ですが、簡単にいうと箱の中に些細な状況変化で猛毒になる物質と、カワイイ猫ちゃんを同時に入れ、30分後箱の中の猫ちゃんは生きているでしょうか?死んでいるでしょうか?的な実験です。
もちろん結果は、箱を開けないと分かりません。
なので箱を開けるまで(結果を観測するまで)中の猫ちゃんは生きているとも言え、死んでいるとも言え、可能性が同時に存在するという屁理屈みたいな実験なわけですが、この映画はそーいう映画です!
この重症患者を乗せた救急車のなかで起こる出来事には、その場面によって善悪の反転が激しく起こり続けます。
当初は悪人のように感じていた人物もある場面ではそうでなかったり、その逆もまたしかりで、この映画の舞台となる救急車はまさに劇薬と猫ちゃんが同時に封じ込められたシュレーディンガーの“箱”そのものとして機能し、その中で生まれる闘い、救命、葛藤や希望という状態は果たして正しいのか?悪なのか?
そして、それは誰にとってのモノなのか?
そういった目まぐるしい状態変化と同時に、その箱の中をいち早く観測(=事件解決)しようとする警察との瞬きするのも勿体ないほど、とんでもなく豪華でどうかしてるカーチェイスの二本立て同時進行上映です!
もうさぁー!これが面白くないわけないじゃろ!
この地獄のシュレーディンガーの救急車映画の結末は、絶対に劇場のデカいスクリーンで味わってほしい!色んな人に超おすすめのドタバタアクションカーチェイス映画です!
この映画の詳しいレビューは、4/2のYoutubeの生配信にて、20時からお話しします!
この配信では、先日のアカデミー賞でケネス・ブラナー監督作『ベルファスト』と2本立てでお話しします。