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65歳以上の消費生活相談の状況

契約当事者が65歳以上の消費生活相談について、2023年度までに全国の消費生活センター等に 寄せられた相談の状況をまとめたものが、国民生活センターから公表されましたので紹介します。


|概要

2023年度の相談を商品役務等別にみると、「化粧品」「健康食品」は、契約当事者65歳以上と65歳未満で共通して上位となっている。
また、65歳未満と比較して、65歳以上では「他の役務サービス」や「修理サービス」「その他金融関連サービス」に関する相談や「移動通信サービス」「インターネット接続回線」など通信に関する相談が上位となっている。

 販売購入形態別にみると、「通信販売」の各年齢区分の相談全体に占める割合は65歳~69歳が最も高く、年齢が上がるにつれ割合が下がっている。
一方、「訪問販売」「電話勧誘販売」「訪問購入」は年齢が上がるにつれ割合が高くなり、85歳以上になると「通信販売」を抜いて「訪問販売」の割合が最も高くなッているという状況が見られる。

|相談件数

国民生活センターがまとめた全国の消費生活センターに寄せられた、契約当事者が65歳以上の年度別相談件数と相談全体に占める割合の推移については下表のとおりである。

相談件数は、2021年以降やや増加傾向にあり、かつ相談全体に占める
契約当事者が65歳以上の相談の割合も微増状態にある。

|商品・役務等別の相談件数

2023 年度の商品・役務等別の相談件数および割合を契約当事者 65 歳以上と 65 歳未満で比較したものは表1記載のとおりである。

➤特徴的な点
○ 共通して上位となっている「化粧品」「健康食品」では、定期購入で購入しトラブルにあったという相談が多くみられる。

○ 65 歳未満と比較して、65 歳以上では「他の役務サービス」や「修理サービス」「その他金融関連サービス」に関する相談や「移動通信サービス」「インターネット接続回線」など通信に関する相談が上位となっている。

○ 65 歳以上になると新たに 20 位までにみられる商品・役務としては、「屋根工事」の他に「新聞」「放送」「他の電報・固定電話サービス」「医薬品類」「生命保険」「アクセサリー」が挙げられる(表中のオレンジ 部分)。

○ 「アクセサリー」に関する相談の中には、訪問購入で貴金属を強引に買い取られる相談も寄せられている。

|契約当事者 65 歳以上の相談件数が多い商品・役務等

どの年齢区分も「化粧品」「健康食品」が上位、「屋根工事」に関する相談は年齢 が上がるとともに順位が上がる

 80 歳以上になると、「新聞」や「電気」に関する相談が みられる。

|販売購入形態別の相談件数

2023 年度における販売購入形態別の相談件数および割合を、契約当事者の年齢区分別で比較した(表3)。

○ 「通信販売」の各年齢区分の相談全体に占める割合は 65 歳~69 歳が最も高く、年齢が上がるにつれ割合が下がっている(表中の青色 部分)。

○ 「訪問販売」「電話勧誘販売」「訪問購入」は年齢が上がるにつれ割合が高くなり(表中のオレンジ色 部分)、85歳以上になると通信販売」を抜いて「訪問販売」の割合が最も高くなっている。

これは一般に、年齢が上がるとともに在宅時間が長くなることにより勧誘を受けやすい環境にあることや、インターネット通販を利用する機会が少なくなること が一因と考えられる。

|契約購入金額・既支払金額

2023 年度における契約購入金額・既支払金額を契約当事者 65 歳以上と 65 歳未満で比較したものが図2、図3。

○ 契約購入金額は 65 歳以上において 5 万円未満が約半数を占めており、平均契約購入金額をみても 65 歳未満が約 88 万円、65 歳以上は約 84 万円となっている。

○ 平均既支払金額65 歳未満が約 45 万円、65 歳以上は約 55 万円と 10 万円ほど高額になっている。

販売方法・手口

2023 年度の販売方法・手口別の相談件数を契約当事者 65 歳以上と 65 歳未満で比較したものが表4。

いずれも「インターネット通販」、「定期購入」に関する相談が多くみられる。
また、 65 歳以上では「点検商法」「テレビショッピング」「フィッシング」に関する相談が 10 位以内にみ られる。

|困った時は

以下は国民生活センターからの呼びかけです。

消費生活で少しでも不安を感じたら、早めに家族や知人・最寄りの消費生活センター等に相談を。
消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

<身近な高齢者を守るために>
高齢者の消費者トラブルを防ぐためには、不審な人間が出入りしていたり、困った様子がうかがえたりしないか等、日頃から高齢者の生活や言動、態度などを見守り、身近にいる周りの方が変化にいち早く気づくことがとても重要。
消費生活センター等への相談は、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどの職員からでも可能です。
身近な高齢者がトラブルにあっているのではないかと気づいた場合は、できるだけ早く相談してください。

|おわりに

国民生活センターが公表したデーターを転載しながら、65歳以上の相談件数や内容をみてみました。

高齢者の消費トラブルや詐欺事案などは増加傾向にあると聞きます。
周辺の高齢者がトラブル等に巻き込まれないようみんなで見守ることが大切ですね。


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