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自転車の飲酒運転と運転免許の行政処分
自転車は運転免許も必要ないし,老若男女関係なく誰でも気軽に利用できる乗り物ですが、道交法が改正され飲酒運転等の罰則が強化されました。
その上、運転免許を保有している人が飲酒運転した場合には、自動車の運転免許の停止処分を受けることがあるといわれています。今回はこのことについて記載します。
|自転車の飲酒運転
自転車も道路交通法上「軽車両」という車両扱いになるので、自転車で飲酒運転をしてしまうと処罰の対象になります。
改めて、いいますと「自転車の飲酒運転は法律で禁止」されています。
飲酒運転に関する道路交通法の規定ついては、道路交通法の第65条1項。
この規定では
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
とされています。
つまり、飲酒して自転車や車などの車両を運転する行為は禁止ということです。そしてこの規定に違反すると自転車であっても処罰されることになります。
|「車両等」
道交法上の禁止規定では、その対象を「車両等」としています。
では「車両」と「車両等」との違いは・・・という疑問が生じますよね。
ご案内のように車両という区分には、自動車、その他の車、バイク、自転車、最近ではモペットや電動キックボードといわれるものまで含まれます。
そして車両等の「等」には「路面電車」が含まれます。
したがって、自転車であっても公道を走行する際は、車両としてのルールを遵守する義務が伴います。
また安全運転に努め交通事故をおこさないようにしなければなりません。
別の機会に書きますが,交通反則制度、いわゆる青切符制度の適用対象とされ、2026年の春からは自転車も交通違反をすると青切符の対象として処分されることになるのです。
|2024年11月に施行された改正道路交通法
道路交通法が改正され、2024年11月に施行された内容としては、
飲酒運転関連事犯の罰則強化、及びスマホ等使用運転の禁止です。
![](https://assets.st-note.com/img/1738419203-iEt5UbSKZL68RnXprClcYOFv.png)
1.飲酒運転に関する罰則強化
酒酔い運転については、従来から罰則が適用されていました。しかし、自転車運転者による飲酒運転、特に酒気帯び運転による交通事故や違反が多いことなどから、2024年11月1日から「酒酔い運転」に加えて「酒気帯び運転」の罰則規定が整備され罰則が適用されることになりました。
① 酒酔い運転
これは「酒に酔った状態で運転すること」で、呼気中のアルコール濃度の数値は関係なくありません。アルコールを身体に保有することが判明すればよく、数値に関係なく、歩行するとふらつきがある、視覚がはっきりしていない、顔が赤いなど客観的な身体状況などから判断されます。
② 酒気帯び運転
自転車についても、道交法の改正により「車両」になる自転車の酒気帯び運転についても罰則が適用されることになりました。
https://www.sociac.jp/safety-life-media/detail/18 4/8
酒気帯び運転は、呼気中のアルコールが1リットル中に0.15mg以上含まれる状態で運転すること。酒に酔った状態が客観的な身体特徴から判断されなくても,制令で定める数値である0.15mg以上のアルコールを身体に保有する状態で自転車を運転すると違反なります。
また、関連する罪として、自動車の場合と同様に飲酒運転をするおそれのある人に酒類を提供したり、飲酒運転の自転車に同乗したり、飲酒した人に自転車を提供する行為をした人も罰則の対象になります。
2.スマホ等使用運転の禁止
スマートフォンなどを手で保持して、自転車に乗りながら通話する行為、画面を注視する行為が新たに禁止され、罰則の対象となりました。これも別途の機会に説明します。
![](https://assets.st-note.com/img/1738419397-HDQfuh2rgKnwkC497GapOMiA.png)
|飲酒に関わる罰則の内容
飲酒に関する罰則としては次のとおりです。
○ 酒気帯び運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
○ 酒酔い運転:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
また2024年11月1日からは運転者本人だけでなく酒類の提供や同乗・自転車の提供に対しても罰則が適用されています。
○ 自転車の提供:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
○ 酒類の提供・同乗:2年以下の懲役または30万円以下の罰金
|自転車で飲酒運転すると「免許停止」に
道路交通法の103条1項8号には、次のように規定されています。
免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるときは免許を取り消し、又は六月と超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる
この規定は「危険性帯有」つまり「点数制度によらない行政処分」といわれるもので、運転免許を受けた者が、自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるときに、運転免許の効力を停止することができることとされています。
自転車での飲酒運転も、危険性の高い違反であることから、運転免許を持っている場合に、6ヶ月を超えない範囲で運転免許の停止処分を受けることがあるのです。
飲酒運転の他には、自転車によるひき逃げなども対象です。
これは、自転車で危険な道路交通法違反をするような人は、自動車を運転する場合にも同じような危険な運転をする可能性が高いとみなされるからです。
実際に、いくつかの県公安委員会で、自転車の飲酒運転で検挙され行政処分を受けたということが報道されていました。
飲酒をしても「自転車だから大丈夫」というような軽率な行動は絶対にやめましょう。
お酒を飲んでからアルコールが抜けるまでには、意外と時間がかかります。例えば、ビール500mlを飲むと,人によっても若干相違はありますが完全にさめるまで約4時間を要すると言われていますので、自転車であっても違反にならないよう十分な休息をとることが必要です。
|おわりに
以上、自転車の飲酒運転に関する罰則強化と、自転車の飲酒運転で検挙された場合に運転免許の行政処分を受けることがることについて記載しました。
自転車といえども車両であり車の仲間であることを認識してルールを遵守し安全な利用に努めましょう。
参考資料
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/documents/29199/rifure.pdf