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【4月本格開校】IT企業が子どもの新しい学び場をつくる訳【サイボウズの楽校】

2024年4月に本格開校する『サイボウズの楽校』。3月まではプレ期として、子ども達と一緒にワクワクする学び場を育んでいます。

今回は、サイボウズの楽校について皆さんにもっと知っていただくため、代表を務める前田小百合さん(以下、前田さん)にインタビューを実施しました。
どのようにして楽校を創ったか、どんな場にしていきたいかなど話を聞きました🎤

前田小百合さん

【前田小百合(まえだ・さゆり)】
日本IBMに勤務後、2018年からサイボウズ株式会社に営業職として勤務。営業職との兼務で学校の働き方改革(学校BPR)に関わった。その後ソーシャルデザインラボに完全異動。2023年12月サイボウズの楽校を立ち上げ、代表として運営している。

プロフィール

◾︎なぜ教育に関心を?きっかけは次女の一言でした。

ソーシャルデザインラボで学校や教育に関する分野に特化し取り組んできた前田さん。そもそも、学校に興味を持ったきっかけって何だったんでしょうか?

「私自身、子どもが3人いて、元々は元気に子ども達が(学校に)通っていればいいと思っていたんです。私も仕事をしているし、長女は普通に通っていたのでそういう認識でした。
ですが、コロナによる休校が明けて、次女が『あまり学校に行きたくない』と言い出したんです。でも『ママがいれば行ける』と。なので、私もリモートワークができたので、案件を調整しながら学校に付き添っていました。朝の1時限目から4時限目まで教室の後ろで待っているみたいな。毎日ではないけど2週間くらいその生活を続けていましたね。」

教室のイメージ

『あまり学校に行きたくない』という言葉をきっかけに学校に一緒に通うようになった前田さん。この時あることに気づき、とても驚いたといいます。

「特に印象的だったのが、板書が早く終わった児童が、もっとやりたいのに先に進むのを許されず待たせている様子でした。すぐ隣には、教科書もノートも開かずぼんやりしている児童がいて、先生がその子を呼んでいました。教室に25人も児童がいれば、みんな同じではないのは当然です。その状態で進めるにはこういうやり方しかないと思います。でも、学びたい意欲が削がれたり、分からないのに置いていかれたりしてしまう残念さを、ちゃんと見つめたいと思ったんです。この光景を見た私は、何かをしないといけないって。だって、1日のうち何時間もいる学校のなかで、多くを占めるのが授業の時間なんですから。子どもにとって学校の生活が充実したものになることは、先生も保護者もみんな願うことですよね。」

また、コロナによって子ども達の学びの環境が一変したことも、教育に関心を持つきっかけだったといいます。

「学校に行けなくなった時に子どもの生活が一変し、学びが完全にストップしてしまったんです。それに学校に行けなくなった途端、友達には会えず、接するのは家族だけ。その様子を見て親として心配になったし、焦りました。
大人は上司や同僚、お客様とお話したりできるのに、子ども達だけポツンと切り離された感じですよね。そこで学校がどうなっているのか、自分の地域以外ではどうなっているのかがとても気になり、教育に関する本やWEBの記事を読むようになったんです。」

前田小百合さん

「それまでは公立と私立くらいしか知らなかったんですけど、オルタナティブスクールやフリースクールというものがあると知りました。公立・私立だけじゃない、色んな学び場があることを知ったんです。
そんな中『サイボウズでオルタナティブスクールを創ろう』って話が出たんです。これまで、サイボウズはIT企業なのでプログラミングの授業に呼ばれたり、学校と関わったり、色んなことをしていましたが……ビックリしましたね。すごいこと言うなあと思いました(笑)。
一方で、私は学校の働き方改革(学校BPR)の取り組みにも携わらせてもらっていたので、既存の学校だけで今以上に子どもをケアすることや、先生に負荷をかけてカリキュラムを進めるのは大変だろうなという思いもありました。新しい学び場を創ることに対して関心が膨らんでいき、結果、こうして楽校の立ち上げメンバーとして携わることになりました。」

◾︎鴨居中学校で学んだ、子どもへの声掛けや関わり方

こうしてオルタナティブスクールの立ち上げに大きく関わることになった前田さん。しかし、自分の子どもやその友達とは関わることはあったけれど、そのほかの子どもたちとの関係づくりは初めてだったといいます。

サイボウズの楽校の基となった『ワクワクする学び場を創ろう』プロジェクトでは、これまで、”ワクワクする学び場”を考えるために、さまざまな学校やスクールにお邪魔しアイディアを頂いてきました。

中でも印象的だったのが、横浜市にある鴨居中学校との関わりだったそうです。

「鴨居中学校は、『和みルーム』という特別支援教室に通う生徒達と2年ほど交流しています。
和みルームは、授業をすると言うより、関係性を築きながらやりたいことを育むというスタイルです。まさに私たちがやりたいことのイメージに近かったので、関らせてもらって解像度が上がった気がしました。
先生がどんなふうに言葉をかけているか、どんな振る舞いをしているのかを身近で知れたのが大きな学びでした。」

鴨居中学校の様子

そうして、去年12月にプレ体験を始めた『サイボウズの楽校』。解像度をあげて臨んだ前田さんでしたが、実際に始まってみると『まるで転職したみたいに大変だった』と振り返ります。

「学校運営はサイボウズとしても初めてのことなので、社内の人に相談しながら進めました。運営を整える、契約やお金の面、どれをとってもサイボウズの製品を買ってもらうこれまでの仕事と全然違いました。
また、相手は子どもだから、”サイボウズっぽい学校”と一言で言っても、大人に当てはめるのとは全く違う。自律、主体的に何かをやっていくのを大事にしているが、子どもに当てはめたときにどんな感じになるのか、どういうふうにするのがいいんだろうと常にときほぐしながら進めている状態です。子どもたちの生の会話をしながら、一緒に作っています。」

サイボウズの楽校 授業の様子

前田さんは、『顔を合わせて対話をする中で、気づきや発見をもらえている』と笑顔で話します。

「子ども達は、知らないことをたくさん教えてくれるんですよね。いろんなことを知っているし、知ろうという意欲もすごい。だから私たちの楽校では、”教える”とかって言うのはちょっと違うのかもしれないなと思います。
ただ、彼ら自身すごいところもいっぱいあるんですが、苦手な部分もあるんですよね。なので、子ども達が元気でいてくれるだけでなく、学習も大切にしています。
でも強制的にやらせることはしたくないと思っているので、子どもたち自身が自分の学びに意義を感じ、主体性に取組めるようにカリキュラムを工夫しています。
学習としては、世の中の共通言語となる読み書きや計算、国語・算数・理科の教科学習の他に、教科横断的に学ぶカリキュラムを作っています。それらの学びとサイボウズの楽校での日々を通して、子どもたちが力強く、自分の世界を広げていける、そんな力を育めるよう伴走しています。」

◾︎『わたしも、あなたも楽しい』場所は自分がつくる!

最後に、サイボウズの楽校をどんな場所にしたいか尋ねました。

『わたしも、あなたも楽しい』を掲げていますが、これは誰かに作ってもらう場所ではないと思うんですね。自分も相手も心地よい場所というのは、一緒に作っていくものだと思います。
お互いが心地良く生きていくと考えた時に、相手が変われば、自分の振る舞いも変えていきますよね。これって、学校だけでなく、生きていくなかでどこででもあることだと思います。
周りと一緒に楽しく生きていく場所を自分が作っていくんだという姿勢を育んでいける、そんな場にサイボウズの楽校がなるといいなと思います。」

前田小百合さん

◾︎通ってくれるお子さんを随時募集中!

4月の本格開校はもちろんのこと、今まさに始まっている0期についても通ってくれるお子さんを募集しています!

【募集要項】

  • 対象:現在小学1年生〜5年生 今回の募集は2〜3名

  • 開校日:月・水・木・金(2024/4からは水曜が閉校日の予定)

  • 時間:9:30-14:30

  • 場所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-17-2マリオンワンビルB1(吉祥寺駅から徒歩5分)

  • 学ぶこと:国語、算数、理科など基礎となる学習とともに、『道』・『KO旅』・『OH旅』と題した子どものやりたいを実現する旅企画、SHOWタイム・JANタイムで制作と発表をする企画など、教科横断かつ体験を大切にする学びを展開します。

  • 費用:0期(〜2024/3)授業料8万円/月、運営費1.5万円/月 (その他、KO旅・OH旅などの実費がかかります)

またサイボウズのキントーンを活用して、上手に情報共有しながら「わたしも、あなたも楽しい」場を、子どもと一緒に育みます。
体験1Day(5,000円)があります。

サイボウズの楽校についてのお問合せはこちらから↓。

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