美しい「愛(love)」を感じる「世界の終わりの天文台」
<SF(159歩目)>
帯にあった『インターステラー』×『渚にて』のSF感動作というのは本当でした。
世界の終わりの天文台 (創元海外SF叢書)
リリー・ブルックス=ダルトン (著), 加藤 直之 (イラスト), 佐田 千織 (翻訳)
東京創元社
「159歩目」は、リリー・ブルックス=ダルトンさんのこの作品は、SF色よりも、文学・エンタメ作品寄り。
ハードSF愛好家には物足りないが、美しいエンターテインメントならば良品です。
映像化されたのもうなづける「美しさ」があります。
Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』の原作になったようで、まだ未見ですが、極地の美しさは映像化で魅力が出せると感じました。
※ただし、標高の高い山や、極地は「光線」の関係で美しいが、実は目で見る美しさよりも、いるだけでも消耗する「困難さ」がある。この「困難さ」が映像だと類推できるが、文章だとうまく隠れてしまうのですが。水が貴重だし、水を使って洗浄することもままならない環境。これが「光線」の関係で見える美しさと顔も洗えない不便さを覆い隠すのはいかないとわからない。
木星探査等々の往復も、十分で潤沢な水が使えない不便さは、人類の多くが見ることができない宇宙の美しさでカバーされる。
ゆえに、文章だけだとすごく「美しい世界」になれるので、「美しさ」を主体としてのSF作品ができる。じつは、「美しさ」は文章の方が伝わるかもです。
それにしても、孤独を愛する人間であるが、本当の意味の孤独はかなりきつい。
これらを含めても、美しい自然を読ませてくれるSF作品にできるリリー・ブルックス=ダルトンさんは「いいね!」でした。
なんか、続編もありそうな予感です。
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