今、1960年代の古典SF作品を読む「地球の長い午後」
<SF56歩目>
「遠未来SF」を読み返して、SF作品の原点を探る「地球の長い午後」
地球の長い午後
ブライアン W.オールディス (著), 伊藤 典夫 (翻訳)
早川書房
「56歩目」は2020年代にもう一度古典を読み、SF作品の原点を考える作品です。
これは久しぶりに読んでみて、色々と細かな部分で自分自身がオタクになってしまったことを痛感させる作品でした。
ブライアン・W・オールディスさんのこの「地球の長い午後」は、もうどこのレーベルで読んだかも忘れていた作品でした。
ただ、SF設定ですが、SF者が好む科学的なガジェット等はなく、設定のみSFである作品。
記憶では、「ファンタジー」に近いと記憶していました。
確かに「ファンタジー」と言えるかもしれません。
途中、何度か本を閉じかけたのですが、中盤に「アミガサダケ」が出てきて俄然面白くなり読了。
読んで感じたことは、SF設定だけで文学的に読ますこと。
十分可能であることでした。
確か、創元SF文庫のエドガー・ライス・バローズさんの「火星シリーズ」「金星シリーズ」「ペルシダー・シリーズ」やジョン・ウィンダムさんの「トリュフィド」に通学時に出逢ってから今に至るSF者の道。(笑)
この原点って、ガジェットも何もなく、SF設定だけで引き込まれていった。
この原点を確認できました。
男女の愛があり、出会いがあり、別れがある。
こんなストーリーに心がワクワクしていたことを思い出しました。
よくよく読むと、60年以上前の作品ながら、その後の作品に大きな影響を与えたことがよく理解できました。
2020年代、SFは様々なジャンルに分化している。
でも、原点は「男女」であり、「愛(love)」ですね。
こんなことを深く感じました。
SFに取りつかれてオタク化した自分自身を戒め、今一度「愛(love)」が大切なことを再認識。
また読書の道に取り組みます。
それにしても、ちょっと読んでいて「蠅の王 ウィリアム・ゴールディング」を思い出しました。
また古典的な文学ですが、読み返してみようと思いました。
ただ、「ファンタジー的」としましたが、60年前の社会通念。
暴力や、死が身近であり、若い読者にはちょっと気構えが必要かもしれません。
この作品に比べると、最近の「植物」主体のSF作品は「教育的」かもしれないです。
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