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多彩な才能ってあるんですね。。。「わたしは孤独な星のように」

<SF(184歩目)>
「美しい世界」へいざなわれました。きのこ感覚はとてもユニークです。

わたしは孤独な星のように
池澤 春菜 (著)
早川書房

「184歩目」は、日本SF作家クラブの前会長の池澤春菜さんの短篇集。
経歴から多彩な才能を感じていたが、7篇がすべて違う手法で多彩さに驚いた。

色々な作風を描ける、池澤さんならではの作品でした。

不思議な雰囲気、美しく引き込まれる。

「糸は赤い、糸は白い」
胞子の感覚が鋭い。登山の最中に出遭ったきのこにいつもこの感触を感じていた。
山の中で息を止めて見つめているときに感じる「輝き」が見えた。
この不思議な感覚を家族の話にしているが、なんかきのこを見つめて胞子の動きを想像したことある者としては不思議に刺さる。
胞子と菌糸、新たな世界でした。

「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」
コロナ禍でリモートが定着した頃に、話題になった「ちょっと太ったかも」
ここから、魅力的な作品に仕上げる。
「宇宙は斑で偏っている。」「いつかみんながその足りない部分や余っている部分を交換出来るようになったら。」
とても目線がよく、読後に良かったです。

「いつか土漠に雨の降る」
SF的に好きというより、チリと三鷹の天文台、そして心を突く愛の話。
とても美しい。

読者から、作家へ。
素晴らしい転身で、ますます多彩さ(今も十分多彩で、SFマガジンの書評で読んだ作品も多いです!)に磨きがかかる。
もっと読みたいです!!

またカバーの雰囲気が池澤さんのイメージにあいます!

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