「食糧問題」「カロリー問題」、そして「ねじまき少女」

＜ＳＦ（１８歩目）＞
食糧問題を「カロリー（kcal）問題」に昇華した作品。バイオＳＦでもありますが、食糧問題に興味ある方は必読です。

ねじまき少女 上
パオロ・バチガルピ (著), 鈴木康士 (イラスト), 田中一江 (翻訳), 金子浩 (翻訳)
早川書房

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 下
パオロ・バチガルピ (著), 鈴木康士 (イラスト), 田中一江 (翻訳), 金子浩 (翻訳)
早川書房

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

「１８歩目」は登山をすると、「食糧」に強い関心を持つ。腹が減っては登山も出来ないし、事故の危険性も高まる。。。

そんなＳＦは読まない登山好きにもおススメなのが、この「ねじまき少女」です。

ＳＦの世界には、世界観がぶっ飛んだ「サイバー・パンク」（インターネット社会を予想した９０年代の作品群）がありますが、バチガルピさんは間違いなく「カロリー・パンク」（食糧問題・遺伝子組み換え問題にかかわる１０年代の作品群）の旗手です。

パオロ・バチガルピさんのこの作品にドキューンと来たら、彼の作品を読み進めるといいです。

彼の一丁目一番地は「食糧」と「環境問題」です。グレタ・トゥーンベリさんが訴えていることを、グロテスクに強調したものが多い。

「第六ポンプ」も必読です。

また、この作品では日本にかかわるエミコ（アンドロイド）が主たる登場人物となっています。

エミコにかかわる他のわき役のキャラがとても立っている。

私は「笑い屋チャン」に引き込まれました。あと個人的に鈴木康士さんのイラストが抜群です。

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