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lively_azalea749
欲望が満たされたことがないので、欲望を抱く事も難しい「星の時」
<文学(132歩目)>
現代のマノンレスコーの様な読後感。ブラジルよりも、ヨーロッパ的な文体です。
星の時
クラリッセ・リスペクトル (著), 福嶋伸洋 (翻訳)
河出書房新社
「132歩目」は、クラリッセ・リスペクトルさんのイタイ愛の作品。
自分が不幸であることを知らなかった少女。
北東部(これが何度も繰り返されるので、ブラジルの北東部に何かをあらわしているのだと思うが、どうしてもわからなかった)の荒野から大都会リオデジャネイロに出てきた貧しく素朴であるが、美しいマカベーアの人生を語る。
リスペクトルさんは、「不幸であるが不幸であることを知らない」女性として描いています。
また語らせているのが、ちょっと鼻持ちならない悪い男。愛しているなら、何故不幸せにしていくのだよ~!!と言いたかった。これが痛烈に痛かった。
だけど、世の中ってこうだよね。を強く感じた。
ブラジルの文学だけど、焦熱の熱帯の感覚が無い。
ブラジルなのだけど、なんか流浪の民の文学のような。
そして、読むとマカベーアがピュア過ぎて、ますます悲しくなる。
またちょっと鼻持ちならない悪い男も、結果として、愛しすぎて壊れる感覚を感じる。
欲望が満たされたことがないので、欲望を抱く事も難しい。
とても重たい言葉でした。
それにしても、クラリッセ・リスペクトルさんって、何故か心に残る言葉を沢山散りばめられる。スゴイ能力だと感じました。
今日で263日目、私の朝のルーティンです。
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