質が高い短篇集「新しい世界を生きるための14のSF」
＜ＳＦ（２１８歩目）＞
値段に見合う作品群でお得感あり。
新しい世界を生きるための14のSF
芦沢 央 (著), 天沢 時生 (著), 黒石 迩守 (著), 琴柱 遥 (著), 佐伯 真洋 (著), 坂永 雄一 (著), 斜線堂 有紀 (著), 高橋 文樹 (著), 蜂本 みさ (著), 宮西 建礼 (著), 麦原 遼 (著), murashit (著), 八島 游舷 (著), 夜来 風音 (著), 伴名 練 (編集), 九島 優 (イラスト)
早川書房
「２１８歩目」は、伴名練さんによるＳＦ短篇集で、お得感あり。新しい才能への出会いありでよかったです。
八島游舷「Final Anchors」
「サーキット・スイッチャー 安野貴博」さんとはちょっと違うＡＩにかかわる面白さあり。
ＡＩによる素晴らしい審判（裁判）は「無い」と現在は考えているが、なかなか短篇なのに読み応えあり。読んでよかったです。
宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」
高校生の活躍がとてもいい。歴史改変ＳＦで、宮西建礼さんお世界観がいい。
「核抑止論」の問題点をＳＦで切る。
色々と考えさせる作品で、最後の一文に泣いてしまった。
涙腺を刺激されてしまいました。
芦沢央「九月某日の誓い」
大正時代の少女たちの出会いを描いた作品で、個人的に好きな文体。
少女故の残酷さが読ませる。
後日談が気になりました。
それにしても、「奉公」が文字通りにあった時代を再認識しました。
※ＳＦで読まず、時代物として読んでしまった。
夜来風音「大江戸しんぐらりてい」
歴史改変ＳＦで忠臣蔵の世界を。ここにＡＩが存在している設定ですが、それがまたいい。
とても読後感がいい作品でした。ありがとうございます。
天沢時生「ショッピング・エクスプロージョン」
サイバーパンクで好きな作風。
激安の殿堂「ドン・キホーテ」、対して「サンチョ・パンサ」は笑えていい。そして端々にオタク的なこだわりあり。
天沢さん、期待しています。もっと出してください。
琴柱遥「夜警」
ラストに切なさと恐怖が。こんなラスト大好きです。
ＳＦって自由度があっていいですね。
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