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萌える百合SFシリーズ「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」

<SF(226歩目)>
とてもリーダビリティがいい百合SF。読み応えありです。

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
小川 一水 (著), 望月 けい (イラスト)
早川書房

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2
小川 一水 (著)
早川書房

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 3
小川 一水 (著)
早川書房

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ4
小川 一水 (著)
早川書房

「226歩目」は、小川 一水さんの萌える百合SF。

やっと完結編(4)を読んでこの世界を反芻しています。

SFの世界で盛り上がっている百合ですが、この世界は深く美しい。
そして小川一水さんのツインスター・サイクロン・ランナウェイも感動の中に完結しました。

小川一水さんの作品は何よりもリーダビリティがいい作品が多いのですが、「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー 早川書房」での短篇が見事に長編作品に昇華しました。

この物語は、未来の世界。かつ、巨大ガス惑星を周回する都市型宇宙船に住む人々の世界。

巨大ガス惑星の中の、ガスの中を泳ぐ生物「昏魚(ベッシュ)」を捕獲し、他の恒星との交易に使われる「全質量可換粘土(AMC)」に加工し輸出。この巨大ガス惑星での日常でもまだ他の作品がスピンオフされそうな魅力的な設定。
そこで、「昏魚(ベッシュ)」を捕獲するのは「男女ペア」でなければいけないと。

この「男女ペア」になるために、古式ゆかしき「お見合い」があると。
「男」は「ツイスタ」と呼ばれ漁船を扱い、漁をする。「女」は「デコンパ」と呼ばれ、その網を作り出すという、今の地球によくある役割分担。
ここは、合理的なのか?あるいは前近代的なのか?賛否わかれると思いますが、ここでペアを組むのが「女女ペア」であったことから素晴らしい百合SFがスタート。

やはり百合と言えば、登場人物の「キャラクター」が重要なのですが、

「ツイスタ」のダイオード
18歳の美少女で操船技術に優れているが、「デコンパ」適性はゼロ。

「デコンパ」のテラ
24歳の美しく、強い女性。優秀な「デコンパ」であるが、「お見合い」では連戦連敗で悩んでいる。

要は、早くペアを組みたいテラ。でも相手が辞退するのでペアが出来ない。
そこに現われた魅力的な「ツイスタ」が美少女だった。

勿論、一般的なこの世界の人々は「女女ペア」を忌避するし、受け入れない。。。
そこで二人は葛藤しながらも、成長していく。

この過程の物語がとても「いいね!」です。

読み応えある「百合SF」で、百合ファンでなくても、SFファンにとっても楽しい作品シリーズです。

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