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公正的戦闘規範で動く近未来「マン・カインド」

<SF(206歩目)>
近未来SFの行きつくところ。テクノロジーや未来に関心を持つ人に!

マン・カインド
藤井 太洋 (著)
早川書房

「206歩目」は、藤井太洋さんによる量子コンピューティング、ビッグデータ、機械学習、生成AI、そしてバイオテクノロジー&暗号資産。
最高です。

この物語は、「公正的戦闘規範 早川書房」と同じ、戦争がいきつくところまで行き、「非対称の戦い」になった近未来、圧倒的に優位に立つ集団同士で「公正的戦闘規範」を守りながら雌雄を決する世界。
お互いの無意味な「命」の損耗を考えると、ウクライナの戦争の様に「ドローン」等の無人兵器による「非対称の戦争」が増える(圧倒的な「テクノロジーの格差」と「経済格差」により優位に立つ側はコンピュータゲームの様に無リスクで戦争行為ができる。
この問題へのアンチテーゼとして「公正的戦闘規範」が生まれるのではないか?との藤井さんのメッセージ。
これにゲノムデザインや暗号資産や藤井さんが得意とする先端のサイエンスとテクノロジーが詰まった作品。

面白くないわけがない!と思い読み進めました。
とても、面白い。

また、フェイクニュースかどうかを自動判定する事実確認プラットフォーム「コヴフェ」はよくできている。
この様な判定の仕組みは必要。
でも、これが20世紀の「マスメディア」と同様に強い権力を持つだろうとのこと。
そうだなぁ。ソーシャルな発信がフェイクか?どうか?の判定権を持つものはすごい権力を持つだろうな。

大統領選も、県知事選挙も、既存メディアではないところで雌雄を決する世界。
このアルゴリズムの「公正さ」も次のイノベーションにも、そして権力にもなると感じた。

やはり藤井さんの近未来ものは、最高です。
近未来のリアルな描写は、藤井さんが一人「タイムマシン」に乗って見てきたものをノンフィクションで描いた感じします。

それにしても、量子コンピュータにより暗号を解読してしまうテクノロジーが、作中に描かれているように「意志ある人間」によってで欲しい。
悪意ある人間、あるいは悪意ある国家であった場合、この物語は究極のディストピアに早変わりしてしまう。

藤井さんの作品は、テクノロジーのよりよき未来を感じさせて「希望」が必ずあるから素晴らしいと感じました。

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