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人類の未来についての暗い予測「タイムマシン」

<SF(104歩目)>
ウェルズさんの超有名作品を「いまさら」読んでみたら、驚いた。
SFというよりも、通底しているのは「人類の未来」に対しての悲観的な考えでした。

タイムマシン
ハーバート・ジョージ ウェルズ (著), Herbert George Wells (原名), 池 央耿 (翻訳)
光文社

「104歩目」は、いまでは「タイムトラベルもの」というジャンルSF作品がたくさん刊行されています。この分野の最初の世代の作品です。

この作品に出てくる「タイムマシン」は、過去にも未来にも行くことが可能。しかし、場所は移動しない、という未来の地殻変動による影響まで加味されている。

古典SFの代表作。そして「タイムトラベルもの」の代表作です。
そして子どもの頃に読んだジョブナイル版と異なり、読んで執筆時の19世紀末の社会の感覚が伝わる。

ウェルズさんの作品からは、「すばらしい新世界 オルダス・ハクスリー」の読後のに感じた、ちょっとペシミスティックな人類の未来がうかがえる。
この結末に考えさせられました。

つまり、もうすでに誰もが知る単語になっている「タイム・マシン」ですが、ウェルズさんはもっと深いところを突くためのガジェットとして利用した。このガジェットがすごくユニークで目を引くものだった故に、ジョブナイル版・子ども版では、ガジェットが強調され過ぎて、読んだ気になっていたことがわかりました。

執筆時にウェルズさんが考えた未来の姿がとても刺激的なことを理解しました。
今さらながら、面白い時間を過ごせてよかったです。

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