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環境問題SFで、すぐに映像化されそうな予感もする「荒潮」

<SF(193歩目)>
中国SFの層の厚さを強く感じた。これがデビュー作品とは。。。すさまじいです。

荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
陳 楸帆 (著), みっちぇ (イラスト), 中原 尚哉 (翻訳)
早川書房

「193歩目」は、陳楸帆さんの近未来の環境問題SF。筆力を感じました。

この作品がデビュー作とのこと。すさまじい才能です。
出だしで、このレベルだと、この後どうなるのか???と思いながら、読み進めています。

その後の作品でもある「鼠年」(『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』ケン・リュウに入っている)もすごい。
現在、ハズシがまるでない作家の一人だと思います。

サイバーパンク的と言われているが、なんとなくこの作品はパオロ・バチガルピさんの初長編の「ねじまき少女」にも似たテイスト。

環境破壊の「先の先」を描くのに、「電子ゴミの島」のジャンク感がアクセントになっている。
テクノロジーが進んでも、人間社会の抗争はそのまま。
巻き込まれた子供たちが、ちょっと切ない。

それにしても、この盛りだくさんな作品をデビューで持ってくるとは。
その後、短篇を読み進んでいますが、貧富の格差問題や、社会正義にとても関心が高い作家でとても好感が持てます。
そして、すぐにも映像化されそうな。

中国SFの層の厚さを強く感じた作品です。

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