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動かない警察

県警本部長「他事件もあり 事件性の判断ただちにできず」太宰府事件について県議会で答弁【佐賀県】

2019年、基山町の女性が暴行されて死亡し、福岡県太宰府市で遺棄された事件で、事件前に鳥栖警察署が家族から複数回相談を受けていた問題で、佐賀県警の杉内本部長は「事件当時、他の事件が連続した影響で事件性の判断がただちにできなかった」と述べました。

これは、2019年、基山町の当時36歳の女性が知人に暴行され死亡し、その後、太宰府市で遺棄された事件で、家族が鳥栖警察署に繰り返し相談していたことが明らかになったものです。県警の杉内由美子本部長は、2日、県議会の一般質問で、「家族からの相談は、身の危険に関するものではなく、金銭トラブルについてだった」との認識を示しました。
また、家族が脅迫されているとした会話の録音を署に持参した際、「他の事件が連続して発生して担当刑事が対応できず、事件性の判断がただちにできなかった」としました。

杉内本部長:「本件を今後の教訓とし、お申し出の内容からは、申し出者の人みならず関係者にも直ちに危害が及ぶ可能性があると認められなかったとしても、結果として関係者が亡くなるという重大な結果が生じ得ることもあり得ると念頭に、より丁寧な申し出対応を心がけていきたい」

この問題について、本部長はこれまで、「女性にただちに危害(きがい)が及ぶ可能性があるとは認められなかった」とコメントを発表するにとどまっていました。
       2020年12月2日 報道より

非常に悔しい事件です。
被害者は、殺害されるまでに
少なくとも8回以上、地元の
鳥栖警察署に相談しています。
相談というか、助けを求めてます。

この事件の一連の報道を確認すると、
どうやら、署の相談担当者一人が
継続して、この被害者の相談を
受理していたようです。

もちろん、一人の担当者が
相談を受けたとしても、
その相談内容は組織的に管理され
幹部から指揮も受けます。

具体的には以下の感じです。

署の担当者(巡査または巡査部長)
が相談内容と執った措置を
書面に起こす。(同時にシステム登録)

係長(警部補)が確認

課長(警部)が確認

刑事官(警視)が確認
※捜査を担当する刑事課・生活安全課を
統括する署の管理官を「刑事官」と言います。

副署長(警視)が確認

署長(警視または警視正)が確認

いわゆる決裁の過程でそれぞれの
幹部が確認をします。

私の経験上、この決裁の
チェック機能はしっかりしています。
甘い措置だったりした場合、
この決裁過程のどこかで指摘が入り
急遽事件化される場合も結構あります。

さらに、命の危険性があると認められる
案件に関しては、
「人身安全関連事案」
として、警察本部に速報され、
警察本部の担当者や幹部からの
指揮を受けて対応をすることになります。

事態によっては、警察本部から
即応チーム
が派遣される場合もあります。

結構、しっかりとした体制を
とってるんです。警察は。

でもね、ここが一番大切で
一番の落とし穴の部分なのですが、

的確な指揮やサポートを
受けられるか受けられないかは
相談を聞いた担当者が作成した
相談内容の文章次第
だというところです。

今回の事件でも、上の記事にある通り
相談を聞いた担当者が
「金銭問題」
と捉えてしまい、そのまま
組織に乗ってしまっている。
完全なるミスリードだと思います。

一連の報道を確認する限り、
金銭に起因するトラブルですが、
暴行や脅迫、さらには暴力団の存在さえ
相談段階の時点で確認できます。
完全に命に関わる事案、
=人身安全関連事案
です。

かなりぶっちゃけます。
気分を悪くしたらごめんなさい。

署の相談の担当者は、
できれば事件にしたくない
と思っている担当者がほとんどです。

なぜか。

相談を聞く担当者は
基本的には事件を担当しません。
相談を聞くだけです。

事件を担当するのは、
事件捜査を担当する刑事です。

つまり、相談の結果、事件性がありそうな
相談の場合は、それぞれの法律を担当する
刑事にその相談を引き継がなければ
なりません。

嫌な顔をされます。
「なんでこんな案件持ってきたんだ」
と相談担当が責められることもあります。

刑事に迷惑をかける。
なんて間違った認識をしている人も
中にはいると思います。

心理的ハードルがあるんです。
だから、話を小さくしたがります。

相談担当者全員が全員というわけでは
ありませんが、悲しいかな
こんな現実もあります。

まさしく悪しき縦割りの弊害です。
もっと相談担当者の裁量や権限を
大きくした方がいいと思います。

警察署の相談担当者は、山のように
訪れる相談の対応に忙殺しています。
おそらく刑事より忙しい。
解決しない相談案件をたくさん抱えています。
見ていてかわいそうになるくらい。

中には精神障害のある人の話や
クレーマーのような人の話も
聞かなければなりません。
精神衛生上もあまりよい環境では
ありません。

相談者と刑事との板挟みです。
相談担当をしていて
心を病んだ警察官もたくさんいます。

こんな現実があります。

皆さんがこれからもし、
警察に相談する事態になったら、
具体的な危険性を警察に認識してもらう
ことが何より大切です。

話を小さくされないように相談する
ためのコツを以下にまとめています。

全国の相談担当者の警察官の皆さん、
辛いですけど頑張ってください。

板挟みになっても、相談者に
寄り添った対応をお願いします。

今日もここまでお読みいただき、
ありがとうございました!

では、また!!

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森 雅人(防犯法人ケイジケン代表理事)
ゆくゆくは元刑事が運営するシェルター、リアル「メゾン・ド・ポリス」を運営したいと思ってます!

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