47才のキャンパスライフ 〜慶應一年生ミュージシャンの日々〜 22「バナナバナナバナナ!」
若い頃は食事や健康にほとんど興味がなかったが、30才を超えたあたりから色々な必要もあって、様々な健康法に手を出しはじめた。
糖質制限やファスティング、その他オーソモレキュラー的なものまでその時々に凝ったのだけど、僕は割とそういうものに「ほどほどに」ではなく「思いっきり」取り組んでしまう性向があって、そうするとやはり、ねえ、長続きしない。それでもいくつかは断続的に継続しているので、よく言えばそれぞれのメリットや利点を認めながら、必要に応じて活用してるともいえる昨今である。
そんな現在の僕にスポッとジャストフィットしている健康法が、小林 弘幸先生が提唱する「バナナ腸活」である。
これは本当にざっくりいうと
バナナを1日2本以上食べるとお腹の調子が良くなるよ!
という事です。で、腸と脳というのは密接に関係しているので、自律神経やメンタルなんかも安定するよーみたいな話です。
僕がこれまで試した健康法と一線を画しているのは、この方法が習慣の「続けやすさ」にフォーカスしたものであるという事である。
バナナが腸にいい理由としては、ハイパーな食物繊維であるレジスタントスターチを含むというのが大きくあるんですが、別にバナナが全食品の中で群を抜いてそれを多く含んでいるというわけではない(と思う)。それでも小林先生がバナナを勧めるのは
だって食べやすいじゃん!
という理由である。確かに一年中どこでも手に入るし、皮を剥けばすぐ食べられ、またすぐ食べ終わる。欲を言えば端の方が緑がかっている「グリーンチップバナナ」の方がレジスタントスターチの含有量が多いらしいけど、そうでなくても、まあなんでもバナナであれば良いという。大事なのは一回の食事での栄養効率よりも、なにより続ける事なのだというメッセージは非常に説得力がある。
で、これが大学生になって生活が激変した僕に、めちゃめちゃ効果が出ていて、とても調子が良い。バナナを手にした瞬間に腸内細菌の歓声が聴こえるようである(本当に喋ったらうるさいでしょうね)。そしてバナナはご存知のように咀嚼力をさほど必要としないので、摂取が驚くほどスムーズである。食べているというよりはむしろ「同化している」と言ってもいい。もはや
「俺がバナナか、バナナが俺か」
という感じである。それくらい自然に身体に入っていく。
というわけで、皆さんにもぜひお勧めしたいところなのだけど、一個だけ難点があって、それはバナナがあまりスタイリッシュな果物であるとは言い難い点である。たとえばニューヨークのビジネスマンが朝食にりんご一個を手にして仕事に向かうみたいなのはカッコいいけど、これがバナナだとあんまり様にならないかもしれない。
僕だけの印象かもしれないけど、バナナ=ゴリラみたいな刷り込みが強くあって(マリオカートのせいかもしれない)食べている姿がどうしても「ウホッ」という印象になってしまう。食べ終わった皮のありようもなかなかくたびれていて、吹き出しをつけるなら「トホホ…」という台詞が合う。「バナナ」という語感も、ばかっぽい響きとは言わないまでも、やはりクールとは言い難い。
でも良いのだ! クールと健康を取るなら迷わずに健康を取るのが47才大学生としての矜持である。と自分に言い聞かせつつ、昼下がりのキャンパスでバナナを頬張る私である。
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