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テレビ

 先日、幼い頃から見ていた朝の情報番組の司会者が亡くなった。テレビで見る前にスマホのニュースアプリで知るがまだ其時は信じられず。「誤報でしょう」思っていたのに居間のテレビ番組で誤報ではないことを事実であることを思い知らされる。悲しみ、哀しみ、喪失を隠しきれない。もう戻ることもできない。還ることもできない。受け入れるしかない。
 生きとし生ける者には必ず喪失が存在する。そんなこと分かりきっていたのに見て見ぬ振りをする。何だかんだ最もな理由を付けて。「哀しいから」「穢だから」その他のちょっとした理由。
 悠久の寿命が存在するとは信じないけれど其れでもまだ元気に生きる姿を見たかった。願いたかった。信じたかった。もう叶わないお願い事。
 大切な人であろうとテレビ番組で見続けた人であろうと喪失する事はどうしようもなく哀しい。悲しい。言の葉にならない感情や止めどなく塩っぱい液体が溢れ流れる。