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花火

 八月一五日。お盆休みの終盤。午後七時〇〇分。ほんの近くの河川敷で破裂音が炸裂する。破裂音が爆ぜる。「何だろう?」咄嗟にカーテンと窓を開け放ち河川敷の方角を目を向けば花火が打ち上がる。紅、蒼、白、翠、色とりどりに色彩豊かに打ち上がる。何発も打ち上がる花火の姿は秀麗でうっとりと心を奪われる。脳裏にじっくりと焼き付く。何年後かの未来で思い出のフィルムから色褪せず破壊せずに取り出せるように。
 だけど、何かしらが花火を怖い、恐ろしいと感じる。どうして?何故?困惑。蒼き花火が空の上で打ち上がるとき身体が「ピクっ」と反応。数秒後「そういうことか」納得。打ち上げ花火の音を怖がる。恐れる。また花火の音で身体が「ピクっ」反応。未だに花火の音で驚き怖がる己の姿に自嘲し呆れ返る。打ち上げ花火自体は美しくて好むのに音で恐れ怖がるとは勿体ない。「何時まで幼き頃のままでいるつもりよ」心の片隅で盛大にセルフツッコミ。

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