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未知なる世界への扉:SF名作『夏への扉』の魅力に迫る  

SFの巨匠ハインラインがかいた小説の中でも日本では特に人気な小説「夏への扉」を読んでみたので読書感想文を書いていきます。
福島正実訳を読みました。

そもそも「夏への扉」とは?

この小説はハインラインが1956年に発表した小説でコールドスリープ、タイムスリップなど時間に関する技術が多く登場するSF小説です。
日本のSFファンの間ではかなり人気で好きなSF小説を選ぶ企画ではたびたび上位に選出されています。
アメリカではハインライン自体の人気はかなりあるのですが、「月は無慈悲な夜の女王」等の人気が高く日本人好みの作品であることが伺えます。

「夏への扉」

では「夏への扉」を読んでみた感想、おすすめの点を書いていきます。
この小説の面白い点は前半と後半別々の面白さがあると思います。
前半の面白さは特に主人公とその飼い猫ピートの行動に関する描写の細かさ、臨場感、ピートの可愛さにあると思います。
ピートと主人公の掛け合いを読んでいると羨ましく感じます。これは実際に文章を読んでみてほしいです。文章で読んでいるのに護民官ピートの可愛さがかなりよく分かるのはハインラインと福島正実の文章力のおかげなんだと思います。
後半の魅力はやはり怒涛の伏線回収です。伏線と言っていいのかわかりませんがタイムスリップした主人公がしたことが以前の出来事につながっていくのが魅力となっています。主人公が会う人会う人に以前あったことがあると言われるところの理由が分かったところで私は感動しました。

価値観の違いも感じる

主人公はエンジニアで作中でも数多くの発明をしますが、中でも面白いのは「文化女中器(ハイアードガール)」です。主婦の家事を助けてくれたりするロボットなのですが、現代で出版されたらフェミニストが黙っていない感じがしますね。1956年の価値観を学べるという観点でも大変興味深い作品になっているのではないかと思います。

結論

かなり読みやすく、難解な点はあまりなく単純に場面の面白さが際立っている作品なのでそこまでハードルを感じずに読める作品だと思うので、最近あまり本を読まない人も読んでみてほしいなと思います。
次は「月は無慈悲な夜の女王」でも読んでみたいなと思います。

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