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オンラインでの消費者インタビューって実際どうなの?実体験をまとめました
自分たちでインタビューをしてみようと思ったとき、まず何から進めたらいいんだろう?
消費者インタビューをしてみよう!と決めた当初、まず私たちがぶつかった壁です。
インタビューと言えば対面でやるものと疑いもせずに考えていたのですが、ちょうど計画していた頃が新型コロナウイルスの第8波が予想されていた時期でもあったので、オンラインインタビューをメインにせざるを得ない状況でした。
対面でのインタビューノウハウも蓄積されていない中で、オンラインインタビューという未知の方法での実施だったので、最初は全てが手探りでした。
消費者インタビューをしてみませんか?とお話をする中で、オンラインインタビューってどうやるんですか?と聞かれることも多いので、この記事ではオンラインインタビューで準備したこと、対面も経験して感じたことをまとめていきます。
オンラインインタビューは全然あり
冒頭にも記載した通り、今回はコロナ禍の開催だったこともあり、大半の方はオンラインにてインタビューを実施、対面を希望された数名の方だけ対面インタビューとさせていただきました。
オンラインインタビューを実施する前は、対面インタビューの方が得られる情報が多いのではないか、お話を聞きにくいのではないか、対面と比べて参加率は下がらないだろうか…といった様々な不安がありました。
そんな様々な不安がありましたが、結果的にオンラインインタビューは全然あり。むしろ推奨したいくらい良いことがたくさんありました。
心配していた参加率についても平日の営業時間内(9〜18時)でのインタビュー(しかも1回あたり2時間)でしたが、当日キャンセルは1回もなくみなさまにご参加いただけました。
一番のメリットはご自宅から参加できること
オンラインインタビューはみなさんご自宅から参加いただきました。
どうして参加してくださったのかお話を聞いたり、お話を聞いている中で感じたメリットは以下の3つのポイントでした。
参加しやすさ
リラックスした状態でお話いただける
実物を見せてくれる
参加しやすさ
オンラインのメリットは何といっても拘束時間の短さと、物理的距離が0になること。
実際にインタビューに参加してくださった方にも、遠方の方やお仕事の隙間時間に参加してくださった方などから、「対面では参加できないけど、WEBなら参加できると思って参加希望しました!」といった声を聞くことができたので、オンラインで実施して良かったと実感しました。
リラックスした状態でお話いただける
インタビューは対象の方にお話いただくことが一番の目的ですので、リラックスいただくことがとても大事です。
対面インタビューでもオンラインでもリラックスいただけるようなアイスブレイクをしていたつもりではありますが、やはりご自宅からご参加いただいた方の方が対面の方よりもなんとなくリラックス状態でお話いただいているなと感じるケースが多かったです。
対面よりオンラインの方が心理的距離感が遠いというのはよく言われることですが、今回はそれが良い方向に作用したのかな、と考えています。
ただ、やはり対面以上に気を付けたのは、私のテンションです。
どうしても対面よりはテンションが伝わりづらいのがオンラインの欠点なので、よりリラックスしていただけるように、声のトーンや反応は通常よりも高くしました。
実物を見せてくれる
電鉄会社さまのインタビューでは、お話いただいている最中にちょっと待ってくださいね、と実際にご趣味で集めていらしゃる物を見せてくださったり、飾られている様子なども見せていただくことができました。
出版社さんでのインタビューでは、購入された雑誌をお手元にご用意いただき、記事のどんなところに感銘を受けたのかをお話してくださる方もいらっしゃいました。どちらも、対面だったらすべてをご持参いただくことは難しいため、オンラインインタビューならではだなと感じました。
もちろん、対面インタビューでも持ってこれる範囲で収集しているものをお持ちくださる方もいらっしゃいましたが、それと比べると見せていただけるものはとても多かったと感じます。
特に、話題の中心となるであろうモノについては対面でもご持参いただくこともできるのですが、インタビューは脱線することも醍醐味の一つだと感じていいます。例えば、グッズでも電鉄系以外だとどういうものを集めているか、雑誌でも買わなくなったものはどんなものかなど、事前に予期していなかったものでも、オンラインだとその場で見せていただけるというのが、大きな収穫だったと感じています。
私たちが実践したオンラインインタビューの方法
ZOOMへのアクセス人数は3端末に
いっぱいの人が参加するとZOOMの参加者表示枠が参加人数分表示され、話しにくくなる可能性があります。私たちが実施するインタビューでは、インタビュー対象者を除きZOOMにアクセスするのはインタビュアー、弊社の記録係、クライアント企業の3端末に限定しました。
複数人でインタビュー内容をモニタリングされる場合は、クライアント企業の会議室などに集まっていただき、みなさまでご覧いただくようにお願いをしました。
インタビューにご協力いただいた企業に後からヒアリングさせていただいたところ、この仕組みはインタビューを聞きながらディスカッションができるとのことで、とても好評でした。
自分たちだけで行う場合は、インタビューすることにいっぱいいっぱいになるので、我々のような代理人がインタビューを行うことで、落ち着いて話を聞いたり整理できるところが、社内でのディスカッションをより深められる結果になったようです。
スプレッドシートをインタビュアーと記録係で共有、リアルタイム更新
インタビュー設問をスプレッドシートに用意し、インタビュアーはモニターで閲覧しながらインタビューを実施。記録係は聞いた設問をグレーアウトにし、聞いた内容をリアルタイムでメモに残していきました。
これをすることでインタビュアーがインタビュー対象者とのお話に集中することができました。
すでにお話を伺った設問とまだ伺っていない設問がパッと見で分かるので、残り時間の配分も考えながらどこまで詳細にお話を伺うか、質問せずに進めるかをその場で判断しながら進めることができました。
熟練された方になると、自分一人でまとめられるのかもしれませんが、未熟な我々はこの二人体制が一番効果的だったと考えています。
一度インタビュー対象者を待機室へ戻し追加質問の確認
私たちが利用したZOOMでは、管理権限を持っていれば待機室に戻すことができます。
一通りお話を伺った後はインタビュー対象者を一度待機室へ戻し、クライアントに追加でお聞きしたいことを伺う時間を取りました。追加質問がなければ、インタビュー対象者に再度入室いただいて謝礼についてのお話をして終了となりますが、毎回少なくても2〜3問は追加で質問がありました。
これをすることによってインタビュー対象者の方にはインタビュアーのみとお話する環境を作ることができました。
インタビュアー以外はカメラ・マイクOFF
とにかくインタビュー対象者が1対1の話しに集中していただくよう、記録係とクライアント企業の端末は基本的にはカメラ・マイクはOFFの状態にし、”○○企画部”と言った形で名前も統一。画面をOFFにした時に表示される画像のところも名前が出ないように変更。
カメラとマイクをONにする瞬間は追加質問について話しをするときのみとしました。
いくらカメラをOFFにしていても、始める前は画面の存在が気になるんじゃないかという懸念もありましたが、見事に杞憂に終わり、全く気にされることはありませんでした。全く!です。
録画時はインタビュー対象者にピンをしてローカル保存設定に
これはあくまでもZOOMの仕様に限定されるものかと思いますが、以下の2つがポイントでした。
インタビュー中は、対象者の画面に「ピンを立てる」
保存方法は「ローカル保存」
まず、「ピンを立てる」についてはZOOMの場合、これをしないと発話している人の記録映像に残ってしまいます。話がかぶってしまうような場合には、インタビュー対象者の顔が映らず、インタビュアーの方が記録に残ってしまいます。
「ピンを立てる」にしておくことで、インタビューアーが映ることなくピンを立てた画面だけが記録されるようになるので、録画データを残す時にはこちらがオススメです。
次に、「ローカル保存」については、上記のピンを立てる形式で保存したい場合、これでしか保存できなかったので、最初からローカルで保存できるようにしておくことをオススメします。
最後に
シナジーマーケティングとしてインタビューに関わったメンバーはいるものの、私たち自身は初めてのインタビュー。ましてやオンラインインタビューは社内で実施したことのあるメンバーがいなかったので、いかにスムーズに進めるかは、実はマイナビ出版から出ている“ユーザーインタビューのやさしい教科書”をかなり参考にさせていただきました。
特に、「うまくいくにはこうだ」ということだけではなく、「うまくいかない場合はこうなる」という失敗の想定も記載してくださっていたことと、当日の進行台本の例が掲載されていたことには、かなり救われました。
こえから初めてインタビューする!という方にはかなりおススメです。(既に社内で何人かに紹介し、保有者が増えました)
色々準備はしてきたものの、この記事の冒頭にも記載した通り、対面インタビューの方が得られる情報が多いのではないか、お話を聞きにくいのではないか、そもそもインタビュー対象者の方は本当に参加してくれるのか…といった不安な面もありましたが、いざインタビューが始まると色々お聞きするのがとても楽しく勉強になることも多々あり、あっという間の時間でした。
これからも徹底的に顧客理解をするために消費者インタビューは続けていきたいと思っています。