
後から怒りが沸いてくる心理
酒イさんなのだ。
この記事はTwitterで見たこちらの漫画がきっかけなのだ。
キレるどころか、怒りを伝えることもできません。#あなたがブチ切れるとこうなる https://t.co/yhxJi89wbt pic.twitter.com/Xr1Etta42g
— 菊池真理子 「生きやすい」2巻発売中 (@marikosano_o) December 28, 2018
その中で「怒りを感じるのに時間差がある」という内容のお話しがあるのだ。
その場で失礼なことを言われてもムカッとしなかったのに、
眠りにつく頃になってから「あの人の言葉はとっても失礼だったんじゃないか?」と思い出して怒りがやってくる。という内容にとても共感したのだ。
知恵袋で探すと似たようなお悩みがたくさん出てくるのだ。
酒イさんにも思い当たることがある!
その時はなんとなく嫌な感じはするんだけど、モヤモヤをうまく言葉にできずに笑って流してしまったりすることがあるのだ。
それでいて時間が経って一人になったときに、
「あのときなぜ言い返せなかったんだろう?」と、後になって悔しくなったりすることがあるのだ。
まさに、悔しさで眠れず枕を濡らすというやつなのだ。
世の中には、嫌なことを言われたりされたら
「言い返せ!やり返せ!そのままにしておくな」
という話しはたくさんあるけど、その時は言い返したりやり返そうというほどの感情がないのだ。
「上手に言い返すコツ」「言い返す技術」
みたいなとっさに言い返す方法を情報はたくさんあるのだけど、リアルタイムに怒りを感じられないと意味がないのだ。
こういう経験がある人は少なくないのではないのかと思うのだ。
怒りに関する情報、どう怒りを抑えるとかコントロールするかという情報が多くて、怒りを感じにくいという悩みに対して触れている情報がほとんどなかったのだ。
この記事が、同じようなお悩みを持つ人の役に立てたら嬉しいのだ。
原因を理解することで対処の仕方を見つけていきたいと思うのだ。
怒りの感情に鈍感になっているから
さっそく結論なのだ。
「時間が経ってから怒りが沸いてくる」
のは、無意識のうちに「怒りの先送り」をしているからなのだ。
怒りの先送りというのは適当な言葉がなかったので、この記事を書くときに考案したのだ。
自分の怒りの感情に対して鈍感になっているのだ。
「心の痛覚」が鈍くなっているとも言えるのだ。
どうしてこれが時間差で怒りが沸いてくる理由になるのか。
感情と記憶に仕組みがあるのだ。
時間差で訪れる怒りの感情
「思い出し怒り」というものがあるのだ。
また知恵袋のお悩み引用なのだ。
過去にされたイヤなことや、腹立たしいことをうまく忘れられない性格です。
以前勤めていた会社で、理不尽な人事をされて強いストレスを感じた時期がありました。現在は転職して楽しく過ごしているのですが、当時の知人と話をすると、徐々にそのときの感情が蘇ってきて、言わなくてもいい悪口や愚痴を、ついまくしたててしまいます。
結果、帰宅途中で自己嫌悪。相手にもいい印象を与えないことは重々わかっているので、なんとかしてやめたいです。
怒りの感情が消化されずにそのまま残っていると、別の記憶によって怒りの感情が呼び起こされて
フツフツと怒りが再燃されていくのだ。
『嫌な出来事』→『嫌な気分になる』→『過去の嫌な気分になった出来事を思い出す』
このように別の出来事が過去の感情を呼び起こしてしまうのだ。
時間差で沸いてくる怒りについても同じことが言えるのだ。
時間が経つうちに過去の怒りの感情と結びついて、体験した出来事が怒りの感情として認識されるのだ。
現在の自分が、未来の自分に怒りを先送りしているのだ。
「思い出し怒り」と「怒りの先送り」が決定的に違うのは、
その場では認識できるほどの強い怒りは感じていないということなのだ。
せいぜいモヤモヤしたり、ちょっとイラッとするくらいなのだ。
なぜその場で怒りを感じられなくなるのか
怒りの感情を恐れているからなのだ。
もっと言うと怒りの感情を他人に見せることを潜在的に恐れているのだ。
悪口を言われたら傷つくし、失礼なことをされたら腹が立つのが人間なのだ。
それなのに、怒りを感じても表に出すことができない状態が続くとどうなるか。
怒りそのものを感じにくくすることで心が対処するようになるのだ。
たとえば、
「転んでヒザを擦りむくと痛い。
でも、痛がっている姿は誰にも見せられない。
そうしているうちに、いつしか転んでも痛くないと自分に言い聞かせるようになるのだ。
こんなのはなんてことはない。自分は痛いと感じていないんだと。」
これと同じようなことが怒りの感情に対しても起きているのだ。
こうなってしまうのは過去の経験に由来しているのだ。
怒りを恐れるようになった過去がある
怒りの感情を恐れるようになった過去があるのだ。
少し例を挙げると、
・過去に誰かの怒りで深く傷ついた経験がある
・子供の頃、周囲に怒ると手がつけられないような人がいた。自分は絶対にそうならないと決心した
・過去に怒りに身を任せた行動をして、深く後悔したことがある
・過去に怒ることで拒絶されたことがある。受け入れてもらえない恐怖を感じたことがある
こういった経験をすると、怒りを表に出して他人を攻撃することがとても恐ろしい悪いことと認識するようになるのだ。
あらゆる場面で怒りを抑えつけようとして、ついにはそれに成功するのだ。
怒りの感情に鈍感になるということで。
怒りを抑えられてるならいいことなんじゃない?という人もいると思うのだ。
怒りはエネルギーとして自分の中に留まり続けるのだ。
ストレスとなって溜まり続け、限界に達したときに「もうあの人嫌い!」と爆発してしまうのだ。
怒りを引きずることで、「現在の怒り」に「過去の怒り」が乗っかる形になるので、
怒りが倍増でストレスがたまるし、相手のことが嫌になったり、ちょっとしたことで爆発しやすくなってしまうのだ。
人間関係に波風を立てないように怒りを我慢し続けると、かえって人間関係が悪化してしまうのだ。
結論:怒りそのものは悪ではない
まず怒りが悪ではないことを改めて認識する必要があるのだ。
問題は怒りを感じることそのものより、それをどう表現し消化するかが大事なのだ。
別に人前で怒らなくていいのだ。
6秒待たなくてもいいし、
我慢しなくても大丈夫なのだ。
まずは自分が怒りの感情を受け入れるところから始めるのだ。
人前でいきなり怒りの感情を爆発させるのはまずいのだ。
自分自身で怒りの感情と向き合い、消化できるようになることを目指すのだ。
おすすめの方法は筆記開示に代表されるような、ノートを使ったセルフケアなのだ。
自分の感情をうまく書けるようになるまで時間がかかると思うのだ。
それでも、細く長く続けていくうちに自分の感情と徐々に向き合えるようになるのだ。
それができるようになってきたら、自分が「嫌な気分になった」「止めてほしい」ということが感じられるようになるのだ。
アサーティブなコミュニケーションで調べるとたくさん出てくるのだ。
正直なところ、いきなりアサーティブなコミュニケーションといっても、
いきなりできるようになる人はほとんどいないと思うのだ。
こういう考え方もあるということだけでも頭に入れていくといいと思うのだ。