囲碁史記 第130回 呉清源の来日
囲碁を始めるきっかけ 昭和三年、一人の天才少年が中国より来日する。後に木谷実とともに「新布石」を創始し、「昭和の棋聖」と称される呉清源である。今回は呉清源来日の経緯について紹介していく。
呉清源は一九一四年、日本で言えば大正三年に中国福建省で生まれる。清源は号であり、本名は泉という。六人兄弟で、二人の兄と三人の妹がいた。
呉家はもともと福州で代々官職を務め、「書香一門」と称された名家であったが、資産家の祖父が無くなり、さらに辛亥革命で清朝が滅ぶと没落していった。
父の