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国際結婚した奥さんとの食事事情について教えてくれた

先日、学生時代からの友人と居酒屋で久しぶりに飲んでいたときのこと。彼の結婚生活について話が及んだ。

その友人は日本人。奥さんは東ヨーロッパの女性で、彼女はかれこれ20年近く前に日本へやってきた。二人は仕事の関係で知り合って、数年前にご縁があって結婚に至り、そのまま一緒に日本に住んでいる。

奥さんは金髪碧眼で肌の色は透けるように白い。いわゆる「白人」と聞いてイメージする容姿。

お二人が新婚のころに一度会ったことがあった。天然ボケ系の友人と、しっかりした奥さん、というコンビっぷりが印象的だった。

今回はそのとき以来で久しぶりの再会。奥さんは参加せず、その友人と僕の二人でサシ飲みだった。


「で、どう?その後の結婚生活は」

友人は一瞬、いろんな種類の感情が駆け巡るような気配を醸し出してから、視線をさまよわせつつ語り始めた。

友人
「うーん、まぁ、彼女との生活はいいねんけどね。でも、まあ、ちょっとどうかと思うこともあるなぁ」

彼はそう言うと、奥さんとの日常生活で感じる違和感を教えてくれた。

友人
「我慢できへんことがあるねん。食生活の違いっていうんかなぁ。不満は2つ。まず、彼女の食事のバランスがおかしい。昼からガッツリ食べて、夜はあんまり食べない」

僕はすぐにピンときた。ああ、彼女はやっぱりヨーロッパの人なんだ。

友人
「だってさ、家でお昼ご飯としてハンバーグとかモリモリ食べるんやで。ボクからすれば、家で食べるんやったらハンバーグはやっぱり晩ご飯。でも、奥さんはお昼にたっぷり食べて、ほんで夜はほとんど食べない。奥さんに言わせると、夜にたくさん食べると太るし体に悪いよ、それよりもお昼にしっかり食べた方がいいでしょ、とか言って。たしかにそれは正論なんやけど。でもやっぱり、オレにとってハンバーグは晩メシやわー」

僕はこれまで、ドイツ人の食生活について何度か記事を書いてきた。「ドイツ人の食べる能力」、「ドイツ人の日常の食事風景」、「ドイツ人の間食風景」など。

これらの記事でも書いたように、ドイツ人の「常識」としては、お昼ご飯を一番しっかり食べがち。まあ、それすらケーキで済ますこともある。そして夜は、パンやチーズをパパッと口に入れて晩ご飯とすることが一般的なこととされている。もちろん個人差は相当大きいんだけれど。

そんなドイツ人の食生活を念頭においてみると、友人の奥さんはやっぱり同じヨーロッパの人として紛れもなく共通するところがある。そりゃあ、あのドイツ人の食生活は・・、日本人的には違和感を持つよな。うん。

友人
「もう一つ不満があるねん。食事の時間が不規則なこと。僕としては、お昼は毎日12時くらいに、そして晩ご飯も19時とかに規則正しく食べたい。うちでは僕もかなり料理を担当していて、僕が料理する時はいつもキッチリと規則正しい時間に食べられるようにする。けどな、奥さんが食事をつくると、15時にお昼ご飯をつくったりするねん。僕はまだええんやけど、息子がそんな不規則な時間に食べるって、どうかと思うわー」

そうそう、これもドイツ人とおんなじ。先日の記事でも書いたように、ドイツ人の多くは「三食を決まった時間にまんべんなく食べる」ことに意味を見出していない。

友人が不満に思っている点が、まさに日本人と違っているところ。彼には悪いが「やっぱり・・」と思ってしまった。

友人夫婦の後日談

さて、その友人と居酒屋で飲んだ後。僕がドイツ人の食生活についてnoteに投稿した記事のリンクを送って、読んでもらった。そしたら彼としては、いろんなことが腑に落ちたと言ってくれた。

ここからは、彼とのLINEでのやり取り。

友人
「なるほど…。思い返すと奥さんからは、なんで、そこまで料理するの?的な雰囲気を感じることが時々あった」

やはり日本人の食事にかける情熱は、彼女には理解しがたいレベルだったようだ。ホントそうだと思う。

友人
「奥さんは500、600円くらいもするフルーツなどを日常的に買ってきて、それを食事のメインとして一回で全部食べたかと思うと、夜はほとんど食べない… そんなことが多い毎日。まさに、ドイツそのもの。合点がいった」

ここで出てきた「フルーツ」のキーワード。僕はまた思い当たるフシがあった。

彼女の出身国は東ヨーロッパで、ベラルーシと文化が非常に近い。僕はむかしベラルーシを旅行した時に、現地の人に話を聞いたことがあった。

そしたら、現地の人たちがみんな口を揃えて言っていたことがあった。「休日の過ごし方は、郊外に保有しているダーチャ(庭付きの小さな別荘)へ家族で行って、フルーツを作ったり、野菜を作ったりして過ごす人が多い」と。

そこで友人に、ひょっとして奥さんってフルーツに思い入れがあるんじゃない?って聞いてみたところ・・。

友人
「そういえば、彼女の夢はフルーツが取れる庭のある家に住むこと、って言ってた」

という返事。やっぱり。

まとめ

人って、自分の生まれ育った文化が刷り込まれるもの。

彼女は日本に住んでもう20年近くになる。それだけ長い日本生活を経てもなお、やはり食生活は彼女が生まれ育った地域の様式から離れない。そして日本に住む今でも、家の庭でフルーツを育てることが依然として彼女にとっての「幸せのかたち」のようだ。

国際結婚した友人の話を聞きながら、なんかホントに人って生まれ育った文化に強い影響を受けて生きているものだなー、って改めて感じた。

by 世界の人に聞いてみた

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