夏の夜とリモンチェッロ
今回はゆるくて浮かれた感じの軽い投稿を。
ビバ イタリア
イタリアはうちの家族みんなが好きな国。
これまでイタリアに住んだことはないけれど、旅行で十数回訪れた。
とにかく魅力の多い国だと思っている。
例えば、人が魅力的。
多様な性質を持つ人たちがいて、かつ僕が知り合った人たちは、みなさん人としてまっとうで魅力的な人たちばかりだった。
また、食事のおいしさもうちの家族の中でズバ抜けて評価が高い。
個人的な感想であることは当然だけど、これまで僕が訪れた国の中で食事のおいしさランキングをつけるとすれば、ダントツ1位がイタリア。離れて2位が日本。更に離れて3位はそれ以外の国々。ごめんドイツ、ここではキミの肩を持つことができないぜ。
そうそう。イタリアで食事する時は、必ず現地でおすすめのお店を聞いて行くようにしていた。
そうやって教えてもらったお店に入ったら、更にそこで「お店の人のおすすめの料理」を注文する。要は全てを現地の人の言うがままに任せる。
その際には、基本的にはピザやスパゲティ以外から選ぶ。イタリア料理といえばピザやスパゲティを思い浮かべる人も多いと思うけれど、そしてそれらも実際おいしいんだけど、とにかくそれ以外の食事の実力が高い。
他にもイタリアの素晴らしいところは、街の雰囲気とか、地域性が多様なこととか、文化財とかいろいろあって・・。
いかん、言葉で簡単に伝えることに限界を感じる。
イタリア自体については、今日はこのへんにしておこう。
ということで、本題へ。
リモンチェッロ
イタリアのお酒で「リモンチェッロ」という黄色くて濃いお酒がある。
作り方は、
①ウォッカなどアルコール度数の高い蒸留酒の中に、レモンの皮を漬け込む。
②グラニュー糖と水を混ぜて火にかけて、シロップをつくる。
③シロップと上記①のリキュールを混ぜて寝かせる。
これで完成。レモンの採れるイタリアの南部、特にナポリ近郊でよく飲まれる。基本的には食後酒。アルコール度数が高いけれども、サッパリしていて同時に甘みもある。
これを僕が飲む時の典型的なシチュエーションは次のとおり。
①夏の休暇に家族でイタリアを訪れる。
②昼間にビーチで泳いだ後、ホテルへ戻ってシャワーを浴びてスッキリする。
③まだ暑さの残る宵の口の時間。街へ出て、現地の人から教えてもらったお勧めのレストランで食事する。
④座席はオープンテラス(屋外)のテーブルで食べるのがイタリアらしい。日本よりカラッとしていて、独特の心地よさ。
⑤そんなロケーションで、地元のワインを飲みながら、おいしいイタリア料理をゆっくり食べる。
⑥じっくりと家族で食事時間を楽しんだ後、お会計を頼む。するとテーブルに置かれた伝票の隣には、冷凍庫から出されたショットグラスに入ったリモンチェッロが当たり前のような顔をして鎮座している。
そう、冷蔵庫ではなく冷凍庫から。リモンチェッロはアルコール度数が高く、そしてアルコールは凍結温度が低いから、リモンチェッロは冷凍庫の中でも凍らない。キンキンに冷えていて、ちょっとトロッとしている。
⑦そしてだいたい、すぐには会計が終わらない。リモンチェッロを飲んでゆっくりする時間を少し取ってくれる。
すると、どうなるか。
ちょっと暑い夏の夜に、食事したりワインを飲んだりした後。キリッと冷えた、サッパリして甘みもあるお酒を飲むと、
「おいしい~!!」
人の心にダイレクトに訴えかけてくる感動が。
そうやってサービスで出してもらったリモンチェッロを飲むと、まあ、チップも弾みたくもなるのが人情。
ということで、僕にとってリモンチェッロとは、夏の夜を甘いレモン色に彩ってくれる存在であり、
かつ、チップ増額マシーンでもある。
イタリア人って、人の心を動かすのがホントにうまいなぁ。
ということで、お酒や食べ物って、その味自体がおいしいかどうかということも大事だけれども、それが全てではない。
どういう状況で、どう味わうか、どう楽しむか。
そういった総合的な存在だと思う。
by 世界の人に聞いてみた