見出し画像

おまけ企画 「グッドフェローズ:イカした経営学者たち」を始めます!

1. 前置き 

 僕が書いてきたカルト・マネジメントは、経営学の教科書に掲載されているようなスタンダードな理論を、「儲けられる経営者」になるためにはどう使えるのか、という視点から斜め上に解釈して、面白おかしく紹介していくというコンセプトで書いてきました。
 
 5月11日に第二部が完成し、続編「カルト・マネジメント2:「軍師」になりたいあなたのための経営戦略」の執筆をアナウンスしたものの、11日感連続で書き上げた虚脱感+ネタ仕込みのための資料集めのため、直ぐには発表できない状態です。

 とはいえ、フォロワーやPV数を稼ぐためには、毎日投稿したほうが良いと言われているっぽいしなー。


 noteコンサルっぽい人たちがそう言って○○日連続更新!とか言いながらPV数公開しているけど、みんなテンプレ臭い文章だなー。

 ある程度書き続けないと、文章書く能力は数日で劣化するしなー。

 でも、中身のないPR(カルト・マネジメント読んでね、みたいな)だけの文章は書きたくないなー。

 そんなことを非常勤先からの帰り道につらつらと考えていると、ひらめきました。

 カルト・マネジメントのオチは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にしたな→マーチン・スコセッシといえば、「グッドフェローズ」が好きだな→そうや、大学の研究者をフェローって言うよね、マフィアも構成員のことをフェローっていうけど→ん、good+fellows、イイネ!

 ということで、カルト・マネジメントシリーズを書いていくなかで、参考にしたイカした経営学者を紹介していくプチ連載企画を思いついたのでした。

2. どういう研究者を紹介するのか?
 さて、どういうグッドフェローズたちを紹介していきましょうか。
 売れまくっている経営学のテキストの執筆者であったり、ビジネス書でヒット飛ばしていてビジネス誌とかによく出てくる先生を紹介するのは、いろいろな点で僕は余り意義を感じていません。
 
 第一に、「カルト・マネジメント」を読んで面白がれる客層の人たちって、そういう先生は既に知っているよね。野中郁次郎先生とか、加護野忠男先生とか。なーんとなく、どんな事を言っている先生なのかは知っている。そういう先生をとりあげるなら、むしろ一般の人は知らないレジェンドクラスの先生たちが提唱した理論を、ガッツリ紹介する文章を書きたい。入山先生がどんな論文書いているのか紹介したら受けそうだけど、そうすると、「サクッと読める」ものじゃなくて、濃厚ヘビー級の内容になっちゃう。「カルト・マネジメント2」の執筆が無限に延期になるので却下です。

 
 第二に、実は今の中堅世代(35〜50歳前後くらいまで)の経営学者に、面白い人達が多い! 団塊世代のレジェンド経営学者たちがそろそろ引退の時期に差し掛かり、日本の経営学の世界は世代交代の時期が始まっている。今、35歳くらいから50歳手前くらいの先生たちが、これから10年の経営学の引っ張っていくことになるし、将来的にはビジネスの世界にも影響を与える存在になっていくはず。それを先取りで知りたい人も、一定数いるだろうなぁという期待もあります。

 
 第三に、僭越ながら、そのようなイカした先生方の研究に、一般の方も触れて頂く機会を提供できたら、五流経営学者の柴門も少しは経営学に貢献できるかなと考えました。

3. 今の中堅世代が面白い!
 繰り返しになりますが、今の経営学の世界、特にまだ学術の世界を中心に活動している先生方は、面白い研究をしている先生が多い

 単純に、35歳くらいから50手前くらいまでの先生は、研究者として一番油の乗った旬の時期です。
 学部からストレートで大学院に進学して、修士課程・博士課程を修了すると27歳。その辺りに博士号を取得して、学術書を出版して一旦研究が完成する。
 この修士進学から博士号取得・学術書出版までの研究というのがクセモノで、よくも悪くも指導教員(師匠)の影響が出てしまい、半分は「自分の研究」ではない。そこから、自分のやりたい、やるべき研究をやるぞ!ってモチベーションがムクムクと湧いてきて、頭脳の気力も体力もあるのが35〜50手前くらいの時期なんじゃないかと思います。特に、大学教員のポストを得て、社会的立場と研究費を獲得できるようになると、大学院生の頃には不可能だった調査研究が可能になったりしますしね。今、引退にさしかかっているレジェンドクラスの先生たちも、この年代に時代を代表するような研究業績を発表されているように思います。

 更に、今35〜50手前の先生たちは、経営学という学問の理論的基盤を刷新するような研究を発表しつつ、それを単に学術の枠に留めず社会との関わりを持ち始めた方まで人たちという意味で、「面白い世代」になりつつあります。
 2018年に『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』を発表しヒットを飛ばした、中原淳先生の試みなんかは、その一つじゃないかと思います。ビジネス書をビジネス書として割り切ったビジネス読み物として書くのじゃなくて、学問的な内容なのに、一般の人が読んでも面白い本を書く先生たち。


 本来身につけてきたレスリングやボクシングといった格闘技の技術を封印してプロレスをプロレスラーとして演じるのではなく、格闘家そのままでプロレスのリングに上り、格闘技の持つ牙をそのままに、プロレスとして見ている人達を楽しませ、心を動かすような一昔前の藤田和之みたいな、新世代の経営学者たち。そういう人たちを、「グッドフェローズ」として紹介できたらなと思います。

4. 具体的に誰なのよ?

 実際、どんなイカした若手〜中堅世代の先生が日本にいるのかについて、國學院大學の尾田先生が、主要学会誌の掲載実績から独自のリストを作成されています。

 ターゲットにしている学会誌が限られているので全てがフォローされているわけではないと思いますが、経営学の片隅でチョロチョロしている私でも知っている先生が揃っている、錚々たるリストだと思います。 

 もちろん、このリストから漏れているイカした中堅世代の研究者の方もいらっしゃいますし、これが今の注目すべき中堅世代経営学者の全てとは思いません。そもそも、「良い研究者」の評価基準は様々にあり得るので、誰が「一流」の研究者であると決めようとしたら、血を血で洗う争いになりかねません。

 面白い面白くないでいうと、このリストに掲載されている先生は、みんな面白いんですよ。
 じゃあどうするか。全て紹介するか? ムリムリムリムリカタツムリ。一生かかっても書き終わらない。

 どっかで線引して、誰かを選ばなきゃならない。でどうするかを考えた結果、先生方には迷惑になるのを承知の上で、「カルト・マネジメント」の視点から「イカス!」という研究者をピックアップしていくことにしました。そもそも、「カルト・マネジメント」書く時に参考にしたり、元ネタにさせてもらった先生方がいっぱいいますしね。

 経営学のこれからを引っ張り、社会との関わりを作ろうとしている、あるいは作り始めている、凄い先生たち。五流経営学者の私からすると、あこがれの対象です。

 カルト・マネジメントでは古典的な理論を中心に斜め上に解釈して、面白おかしく茶化すことを目指してきましたが、グッドフェローズでは、今、この現在、経営学の先端で戦っているリスペクトがベースです。

 とはいえ、カルト・マネジメントを書いた柴門の芸風もありますので、基本的には一般の人にもある程度面白く読める形でかいていきます。根底には経営学への愛と、先生方へのリスペクトで書いていきますので、ご容赦願います。

 あと、大事なこと。「イカす!」とリスペクトしている先生であっても、直接繋がりのある先生や、Twitterで交流のある先生は取り上げないと思いますのでご容赦を。僕は小心者ですので、どっかで「忖度」しちゃうこと間違いないので。ひとまず、論文や書籍からしか知らない先生だから、言いたいことを言える! という姿勢で書きススメていきます。

いいなと思ったら応援しよう!