カンタン、タルトタタン🍎
旬のりんごをただ煮たり、
バターと砂糖で焼いてみたり。
その薫りの真ん中で、深呼吸でもしてみたら、
縦に深く刻まれた眉間のしわも、たちまちフワーっと消えてなくなるような(はずはありませんが)
味の素ならぬ、わたしの元気の素、だという実感が確かにあるようで、
寒くなるとともに、りんごのおやつを休みの朝に作ることが増えてきます。
気忙しくなってきた12月。
溜まった疲れを吹き飛ばすべく、
到来物のりんごで、タルトタタンを焼きました。
多分、ケーキ屋さんで選ぶスイーツの中でも、最も心惹かれるもののひとつが、このお菓子です。
名前の由来はご存知の方も多いと思いますが、19世紀後半のフランスで生まれたお菓子で、「タタン姉妹のタルト」という意味あいです。
当時ホテルを営んでいたタタン姉妹が、りんごのタルトを作る際にタルト生地を忘れて、りんごやバター、砂糖だけ焼いて型に入れてかまどで焼いてしまって、後から上に乗せたという、うっかりミスから生まれたものだそう。
それが功を奏して美味しい伝統菓子になって行った、というほほえましい誕生秘話を持つお菓子なのです。
家にあるもので、オーブンを使わずに、計量もほぼいらない作り方をご紹介してみます。
*フライパンと冷蔵庫で作るタルトタタン
材料-プリン型3個分
りんご(紅玉など)4個、グラニュー糖大さじ6、バター40g、冷凍パイシート直径7センチの円形3枚分、板チョコ(ブラック)1/2枚分
作り方
1.りんごは皮と芯を除いて8等分し、ボウルに入れてグラニュー糖大さじ3をまぶして1時間以上置く。
パイシートを常温に戻しておく。
2.小鍋を弱火にかけ、グラニュー糖大さじ3を
溶けたら次、溶けたら次、と3回に分けて入れる。
好みの色まで焦げ色がついたらバターを加えて溶かす。
3.ここにりんごを、出た汁ごと加えて、30分ほどじっくりと煮て火から下ろし、粗熱が取れたらぎっしりとプリン型に詰めて、煮汁も三等分して注ぐ。上からラップを乗せて隙間なく詰まるよう押し付ける。同じプリン型を重ねて押しても良い。
4.パイシートを麺棒で伸ばし、プリン型に合わせて切り抜いて竹串などで数カ所穴を開けたら、油を引かないフライパンで両面こんがりと焼く。
その間に、チョコレートを割って耐熱容器に入れ、レンジで1分ほど加熱して溶かしておく。
5.焼けたパイの片側に溶けたチョコレートを塗り、リンゴの入った型にはめ込んでしっかりと押し付ける。
型にラップをして、冷蔵庫で冷やす。
外すときは、サイドに竹串を刺して一回りさせてから湯を張ったバットに数秒浸すか、あたたかいふきんで底を包んで、皿をかぶせてひっくり返すと容易に出せます。
お好みでホイップクリームと一緒に。
オーブンで焼かない分、りんごをしっかり煮ますが、予熱もなく、材料もありがちなものばかり。とっても気楽なおやつです。
りんごとチョコレートは相性も良く、パイのサクサクした食感もチョコレートのおかげで長持ちします。
この型ごと包んでプレゼントしても。
バレンタインの時なども、チョコレート🍫は何となく気恥ずかしい向きにいかがでしょう。
さりげなく隠れていますから、ちょうど良いかげんで贈れるかもしれません。
もう一つはホールで作る、オーブン焼きの簡単なものを。
作る頻度はこちらの方が多いです。
やはり気忙しい時ですから、
材料はバターと好きな甘味、市販のパイシートだけで。
カラメルを作ったり、難しいことなしの気楽な感じで作っています。
*柔らかタルトタタン
皮をむき四つ割にした大きめのりんご5個にはバター40g、粗糖90〜100gとともに鍋に入れ、時々揺すり、上下を返しながら薄く色づくまで中火で20分〜30分ほど煮ます。
この間に18cmの型にバターを塗り、オーブンを180℃に温めて、パイシートを冷蔵庫に移して解凍しておきます。
りんごが煮上がったら、粗熱を取り、型に隙間なく詰めて、鍋の底に残った煮汁も加えて、型の大きさに合わせたパイシートを乗せ、オーブンで1時間焼き、そのまま冷ますという流れですが、
りんごを詰めたまま翌朝まで置き、仕上げにパイシートを乗せて焼くだけ。というのもお勧めしたいです。
こうすると二度幸せな薫りを味わえるので、のんびりな週末にはぴったりです。
朝オーブンを180℃に温め
フォークで穴をいくつか開けたパイシートをりんごの入った型にかぶせ、大きさに合わせて切り抜き、ぴったりと押し付けて、こちらはりんごが落ち着いているので40分ほどで焼き上がります。
カラメルの濃い味が好きな方はもう少し長く焼いても。
熱々にホイップクリームやアイスクリームを添えたい気持ちもありつつ、
起き抜けののシニアの胃にはなかなかきついので、シンプルにそのままで。
柔らかくて、おなかの中にすっと入っていきます。
朝焼くと、焼き上がる香りとともに
今日も頑張ろう!となりがちな私。
楽しいお休みのためにも、
忙しい年末の疲れはなるべく溜め込まずに。
時折、簡単なもので味覚や嗅覚を喜ばせつつ吹き飛ばしていけば、きっと元気で乗り切れるはず。
毎年、わりと本気でそう思い込んでいます。
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