
外の世界
夕方、
友達や恋人と飲み屋街を練り歩く人たち。
1人飲みしてるだろう人が、他のお客さんと楽しそうに会話をしている様子。
むしゃくしゃした。
私はそのどれにも当てはまらないから。
ひとりで食べ物に縋り、味わうこともなく、寂しさを埋めているのかももはや分からないままひたすら胃袋に詰め込む。
これを一日中繰り返している。
詰め込むのに、苦しい。詰め込みたくて詰め込んだくせに、苦しい。
寂しさを埋めたはずなのに、怖くなって吐き出す。
苦しくてやめたくて仕方ないのに、その行為をくり返す。
終わりが見えない。
毎日地獄へと自ら足を進める。
快楽と引き換えに確実に地獄へ進んでいるのに、
その歩みを自分で止めることはできない。
過食しない環境に一週間ほど身を置けば過食欲はなくなる、
とも言うしその通りだと思う。
だってこれはきっとただの依存性だから。
わたしは、一日の我慢もできないままほぼ365日以上、
1年、2年…と過ごしてしまっている。
救ってほしいなんて願っても願っていなくても
どうせ1人だから。
救って欲しいと思う癖に、過食嘔吐できない環境に…と思うとそれもまた恐怖。
太りたくない、けど食べたい、食べなきゃしんどい、苦しい
何故?
無気力の身体を起こして、食べ物のためなら外へ出れた。
でも、外の世界は私が求めている私の姿をした人だらけで
手を差し伸べても遠くて仕方がない。
笑い合ってる人たち、
なんとも美しい笑顔だろう。
私にはその表情筋など動いていない。
噛む力だけが鍛えられたこの顔がきらいで仕方ない。
発達した唾液腺、コンプレックスを加速させている。
醜くて鏡を見れない。
誰にも言えないから、ここに綴る。
外の世界は、私の求めている自分の姿をした人がたくさんいて
目に入るたびに苦しい。
外へ出たのに劣等感でまた繰り返す、過食嘔吐。
そろそろ抜け出せるかもしれない、と思っていた。
だから生きてみていた。
もう何年目だろうか。
わたしは、何も頑張れない自分が何よりもだいきらいで
そんな状態が続くのなら、
はやく死んでしまいたい
そう今は思っている。