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Epona Island
2020年3月5日 20:01
しばしの休息後、一行は海へ向かった。地層がめくれたかのように飛び込んでくる青の衝動。イマキラ岳。山と海がひらけた景色。荒木崎灯台へ。牧場もあり、牛さんのお出迎え。柵を開いて、灯台に続く道を歩く。かなりの暑さなので、進む人待機する人、二手にわかれる。平家見張り所もある。石碑は史実を語っている。隆起した巨大な珊瑚。灯台に着き、後ろを振りかえると、壮大な見晴らしが広
2020年2月26日 18:56
2019年夏、宝島に渡る事が決まったのは、あるメールのやりとりからだった。 相手は一家で宝島に移住し、滞在型リトリートを開催するとのこと。その期間予定があえば、演奏してもらえないかとオファーの話が持ち上がり、私は二つ返事で快諾した。 「宝島(たからじま)」。ドラゴンボールの主題歌が脳内にこだまする。「この世はでっかい宝島♪」。アニメの世界でしか耳にしなかった名前の島が、
2020年2月27日 18:13
フェリー乗り場に着くと、巨大な一隻のフェリー、「フェリーとしま2」が停泊していた。 鹿児島港 23時発、宝島着は、なんと翌昼の11時40分着予定。およそ12時間に及ぶ船旅が始まろうとしている。 近くのコンビニで食料と水分をそろえ、準備万全で港に戻る途中、ふと水場に目をやるとリュウゼツランの株があらわれる。テキーラやアガペシロップの原料にもなる植物の株だ。(リュウゼツラン
2020年2月28日 18:49
フェリーの中。もう夜も遅い時間なのと、揺れに耐えられず、横になるしかない。 暗い海の上で、平行感覚を失った身体は、抗うことも許されずにかき混ぜられる。 目を閉じ、聞こえてくるエンジン音を頼りにするも、思念思考は、溶かされ、どろどろに無形化する。これも島々を渡るための身体儀礼で、必要な準備なのだ。と目を閉じたまぶたの暗闇で言い聞かせてみる。フェリーはトカラ列
2020年3月12日 14:57
翌朝はイマキラ岳の展望台にドライブへ。想像以上に山道の起伏があり、台風になると木が倒れ、通行止めになる。停電時は住民が力を合わせて復旧にあたるそうだ。 宝島の人口は133人(2015年時)。周囲わずか13.77kmの離島で、食料品やお土産が買える小さな商店、郵便局、学校もある。物資はフェリーで運搬され、およそ1週間以上欠航になった事もあるらしい。キャプテン・キッドが財宝を隠したと
2020年3月14日 18:21
海釣りに同行させてもらった。何しろ初心者なので、手とり足とり教えを受ける。魚の餌をつけた竿を片手に、もう片方の手にはクーラーボックス。足に波飛沫を浴びながら、見定められた場所までごつごつした岩肌を歩く。後ろを振り返れば、雄大なイマキラ岳だ。岩間の深い溝に向かって釣り糸をたらし、見よう見真似で釣竿を動かしながら、獲物が食いつくのを待つ。正面には小宝島が見える。魚の反応がなか
2020年3月15日 18:17
2日目の夕方。海での演奏会をしようと一同はあの海辺へと向かった。浜辺に着くと親子がいた。宝島で島バナナを栽培している方で、すれ違って会釈をした方だ。その時、相手は大きなユンボに乗っていたので遠かったが、海辺ではじめて正面で言葉を交わした。島の人の瞳は浅黄色で、吸いこまれるようだった。海の色でもあり、森の色、両方が合わさった宇宙の色でもあった。島のまなざしに見守られながら、ディジュリ