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急にこんな感覚がある。

首を締め上げられているような、
胸を押さえつけられているような、
とりあえず、呼吸が上手く出来なくて、
ただ、息を荒らげる。

足元が突然に、ぱらぱら、バラバラと崩れ落ちていくようで、そのまま下にゆっくりと落ちていく。
真っ白な空間、重力は地球よりも遥かに弱いのか、本当に、ゆっくりと、ゆっくりと、落ちていく。

沈んでいく、という方が、近いのかもしれない。
私は林檎にはなれず、誰も何も発見はしない。


人の心が閉じていくように感じたのは、
きっと、気の所為では無い。
そういうのに、とても敏感で、
変に察しがいいから、きっと傷付く。
あるいは、被害妄想が激しすぎるのかもしれない。

そして、私も、
そっと、閉じていこうとするけれど、
あの甘ったるい温かさを思い出すと、
閉じきれずに隙間から水滴が幾つもこぼれ落ちる。

どうしてこう、幸せを自分から遠ざけてゆくのか、私にはよくわからないけれど、考えてみたら今までだってずっとそうだった。

無意味な虚勢に、憧れにしがみついて、
そのせいで腐っていく。
下らないけれど、それが今までの私で、
それが今の私だ。


去年の春、手のひらに集めた桃色を、
ヒラヒラと地面に落とした。

落とされたそれらは、その後、
風で何処かに転がっていって、
何処にいってしまったのかは、
誰も知らない。

透き通るような薄い花弁が映える、
あの水色の名前は、25年たってもまだ見つけられない。

パステルブルー。
空色。
アザーブルー。

みんなは何色に見えるのだろう。

まだ来ない春を待ちながら、
足場のない街を、
指の隙間から、ボロボロと何かを落とし続けながら、今日も歩く。


そんな事を考えながら、
暗い部屋で、今日は眠る。

#ほろ酔い文学 #エッセイ #鬱 #アダルトチルドレン #大人になれずに大人になってしまった私達へ

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