クラフトコーラ界に現れた黒船。「TÉTOTARŌ COLA」
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6種類のスパイスやハーブに、自家製のカラメルを調合したクラフトコーラ。原価無視でひたすら味のみを追及したり、バッチごとに毎回改良を加えるなど、よく遊び、よく学ぶ、実験的な姿勢たっぷりなコーラです。
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●キープレイヤー
モラセスシュガー(自家製カラメル) / 和山椒 / バニラビーンズ / セイロンシナモン
●指標
《甘さ》・・・・・★★★☆☆
《スパイス感》・・★★☆☆☆
《柑橘感》・・・・★☆☆☆☆
《味の複雑さ》・・★★★★☆
*苦み、酸み、辛みといった、甘み以外の存在感
《爽快感》・・・・★★★☆☆
*爽快感=飲んだ後の心地よさ
●お勧めシチュエーション
薬草の有難みを享受するべく、起き抜けや憩いの1杯に
●1瓶で楽しめる杯数
並みのグラスで約12杯
●手に入れられる場所
主に「TÉTOTARŌ COLA」オンラインストア
1.概要
《実 / 草》
セイロンシナモン(★) / バニラビーンズ(★) / カルダモン / クローブ / とうもろこし発酵エキス / 和山椒(★)
《甘》
てんさい糖 / モラセスシュガー(★)
《果》
有機レモン果汁
「料理」「レシピ開発」「商品開発」などを生業とする食のクリエイティブユニット『てとてと』と、「会員制酒販業」や「酒器プロデュース」など、「日本酒」にまつわる活動を行う『熱燗DJつけたろう』。
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食/飲を突き詰める両者がタッグを組み、原価無視で追求したクラフトコーラが、TÉTOTARŌ COLAです。
2020年秋に登場。食分野で、現役バリバリのプロフェッショナルからクラフトコーラが繰り出されたのは、おそらく初めての例でした。
コーラの歴史を参照し、飲みものとしての在り方を解釈し、確固たる「技」でアウトプットする。そんなプロセスを経て、彗星の如くクラフトコーラ界に現れた、まさに”黒船”的存在なんです。
実飲しながら、その姿をさらに紐解いていきましょう。
2.実飲
〰蓋を開けた香り
自家製のカラメルを中心に、セイロンシナモン、カルダモン、クローブ、とうもろこし発酵エキス、和山椒などが調和する。
鼻に抜けてくる芳香な香りには、どうしたって、平静を装っていられなくなるほど。
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🍷味わい
口に流し込むと、これまでのクラフトコーラ体験とは大きくギャップのある味わいに、しばらく思考停止に陥ります。スゴイもの・驚くことに出会うと人は笑うしかなくなるけど、それと同じことが起きているのです。
自分の姿勢として、「クラフトコーラを単純化せまい」と毎度いろいろ書き連ねているけど、”言葉を失う”経験は初めて。「さあ、飲んで、言葉にしよう」と意気込んだ姿勢が嘘のように、TÉTOTARŌ COLAに飲み込まれてしまうのです。
なにより、自家製のカラメルが効いた独特の甘み、苦み、コク。そこに優しくバランスする、とうもろこし発酵エキスや和山椒のほのかな酸み、辛み。セイロンシナモンやカルダモン等のスパイスたちの香りも相まって、上品さも併せ持つ。
さすがは、“料理変態”と“日本酒変態”。両者だからこそ表現できる、怪しくも、神聖なイケナイ世界。”大人の火遊び”が効いた色気たっぷりの味わい・香りに、心をグッと掴まれてしまいました。
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3.クラフト性
語ろうと思えばいくらでもあるけど、やはり特筆すべきは、「コーラらしさへのアプローチ」と「追求する姿勢」。たとえば。
作り手の1人、てとてと・井上豪希さんのnote『コーラの話をしよう。』に綴られている、ロジカルで情緒的な味覚のアプローチ・設計がすごいんです。
「『コーラ』という飲みものの正体は?」という問いから、コーラの代表である「コカ・コーラ」の今の成分や発祥当時の作られ方から、当時のレシピ等を参照し、コーラに在るべき味覚をまず解釈しています。
彼が定義するに、
コーラには「甘み」「苦み」「香り」がマスト
とのこと。
素材には、各味覚を体現できるものを選んでいるワケですけど、そこのこだわり具合も圧倒的です。
とりわけ、カラメル(砂糖を高温で熱して作った黒茶色の焦糖)をオリジナルでつくっているところなんて、その代表。
苦味や色合いをよく表現するために、砂糖の中でも「どの精製プロセスにあるものを使うべきか」「どの純度のものを使うべきか」から逆算していて。
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この存在が、TÉTOTARŌ COLAを際立たせているワケの1つでしょう。
noteでは、さらにその熱量と知恵とこだわりを存分に楽しめるので、ぜひみていただきたいです。
また、「Batch制」をとっているところもグッときます。
要は、Batchが違うと、素材や作られ方が違うのです。2020年夏にいただいたサンプルに比べ、今回届いたBatch No.19は、鼻を抜けるような爽やかさ、酸味の感じる香りと味わいをより覚えるようになっています。
素材観点だと、黒糖→モラセスシュガー、クエン酸→ともうろこし発酵エキス、といった変化がある。
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このように、常に試行錯誤を続けています。
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それから、ラベルの神聖の雰囲気も、また一興なんです。
コーラの名前の由来となったコーラナッツは現地で「神聖な贈り物」と崇められているモノ。その精神性を受け継いでいるようで、個人的にはとても必然性を感じる見映えです。
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コーラが生まれし時代の作り方に立ち戻っているTÉTOTARŌ COLAに、とてもフィットしているなあと、思います。
自家製カラメルによる調合など、作り手さんたちによる大人な火遊びの怪しさ、色気とも結びつく感じも◎
…と、長々と綴ってきましたが、それほどにぜひ飲んでいただきたい1杯。もしくは、振る舞わせてほしいです。
知ったら後には戻れない、「イケナイ世界」を体験してみません?
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