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生徒がいい顔になる授業のアイディア

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生徒の頭にエンジンがかかり、積極的な発言の応酬が起こる授業を作りたい人へ
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偏差値向上という目標と決して矛盾しない「真・アクティブラーニング」

偏差値向上という目標と決して矛盾しない「真・アクティブラーニング」

こんにちは、cozyこと児嶋達彦です。
英語科教師になって、今年で15年が経ちました。
今年はおかげさまで教員向けセミナーにも登壇させていただき、
かねてからの目標である「教師の教師になること」、すなわち教員養成や授業力向上の仕事に取り組むことが実現できてきました。

いざ研修の場に出てみると、現場の先生たちは現状打破に強い意欲があり、
新たな取り組みを自分の授業に実装していこうと日々奮闘している

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受験指導とペアワーク~思考と言語化~

受験指導とペアワーク~思考と言語化~

高校3年生の担当をしていると、よくこのようなお話を耳にします。
「受験生はペアワークなんてやってる暇はない」
「講義型で予備校もやっているし、学校でも講義一択だ」
実際のところ、受験という差し迫った目標を持つ生徒を対象にする場合、
ペアワークやルーブリック提示型学習を行わなくても、
生徒は常に「受験問題の解答に役立つか」「模試での正答率に好影響があるか」などの視点で、自分の学習と効果を常に検証し続

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生徒みんなが、みんなの先生に~得意を活かした相互貢献活動~

生徒みんなが、みんなの先生に~得意を活かした相互貢献活動~

はじめに。
ご無沙汰してしまいました。。今年からは習慣的に書く、ということを大切にやってきましたが、
職場が変わっての1学期は、もう心身に余裕がなくなりまして、
こちらでの発信に力を注げずにいました。
「書きたい」を上回る消耗ぶりで。。

とはいえ、新しい環境の素敵な生徒たちに「授業」で貢献したいという気持ちは毎日燃やしていました。
高校でも、初めての挑戦である中学校でも、
よりよい授業づくりに挑

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新たなチャレンジ 中学校英語指導

新たなチャレンジ 中学校英語指導

こんにちは。
今年度も1か月が過ぎました。
僕はというと新たな環境で、中学生・高校生に英語の授業をしています。
特に中学校での指導は教育実習以来なので、実に16年ぶりです。
それでも一所懸命な生徒たちの積極的な姿勢に支えられ、心から楽しく授業しています。(反応がストレートなのが素敵だなと思います。)

今、新たなチャレンジである中学校指導において、僕が特に気を付けているポイントを書いてみます。

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「先導するとき」と「後ろから見守るとき」を使い分ける

「先導するとき」と「後ろから見守るとき」を使い分ける

今回のお話は授業中の教室の雰囲気をコントロールする方法を考えています。

導入の大切さを考えていたのですが、
その中で、講義型授業と協働型授業の意義の違いをイメージ化することができました。

①講義型授業

講義型では目標を掲げ、先導するのは先生です。
生徒はその先導に従い、ノートを書き写したり問題演習を行ったりします。
メリットは学習のペースがコントロールしやすいことであり、
デメリットは目標設

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昨日の授業:推測から始まる読解活動

昨日の授業:推測から始まる読解活動

昨日(24日)の授業では、教科書の内容を聞いたり読んだりする前に、
生徒の持つ知識を総動員しながら推測するというスキーマ利用型の展開を行いました。

展開冒頭
・1行目にあるHow exactly do trees share nutrients through this network of fungi?という問いへの答えを理解するのを目標と設定。

・空欄部を推測するのは、いわば推測活動の初歩

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「読む」と「書く」をほんの少し離す活動

「読む」と「書く」をほんの少し離す活動

本日は、考えて読む+考えて書く という繰り返しで展開させる小ネタを紹介します。

上記のワークシートに記載されているような、要点を問う質問を軸にした読解活動は大変ポピュラーなものであると思います。
しかしながら、この活動を続けていると、教科書本文から答えに該当するような箇所を、いわゆる「抜き出す」という作業になることも多いです。
情報を取り出す練習も必要ではありますが、「考える」というプロセスがお

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2023版!授業構造フォーマット

2023版!授業構造フォーマット

本日もお読みいただきありがとうございます。
今回は授業づくりに役立つ授業構造フォーマットのアイディアについて書きます。

私が公立教員になりたての時に、
教育委員会からもらった資料に書いてあった授業のフォーマットは
「導入5分→展開40分→まとめ5分」というものでした。
大枠としてこれに従って授業を作ることに大反対!という立場ではないのですが、例えば展開40分ずっと講義をするわけにもいかないはずで

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発問とイラストで全体像を整理する導入・まとめ授業

発問とイラストで全体像を整理する導入・まとめ授業

全体像をとらえてから、詳細な情報を得ていくのが読解活動の基本的な流れではありますが、毎回以下のようなQ&A方式をとっているとマンネリ化します。(もう2月なので同じ授業者の授業パターンを11か月受けているわけですから)

そこで今回はイラストを描きながら、生徒に問いかけ続けて全体像を完成させていく活動を行ってみました。
絵を書きながら英問英答するだけなので、
そんなに奇抜なものではないです。

ただ

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「挑戦と失敗」が生む、授業への本気度

「挑戦と失敗」が生む、授業への本気度

昨日の授業での実践です。
授業冒頭に「まず挑戦」することで失敗やつまづきも経験し、
その後のインプット活動・講義に対して生徒の本気度を上げる活動です。

1 授業冒頭部で前時の既習内容を思い出しながら、
教科書の内容(冬の祭りが始まった経緯について)を、
5分で上部の空欄に作文する。

2 となりの人と用紙を交換し、相手の作文内容も参考にしながら、前時の内容を振り返る。

3 教科書を開き、黙読を

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協力して問題解決する授業で生徒を本気にさせる

協力して問題解決する授業で生徒を本気にさせる

以前、「答え合わせない授業」というのを実践して、
生徒たちが自分たちで問題解決せざるを得なくなる授業について紹介したことがありました。

先日、今度は長文読解の授業でこの手法を取り入れてみました。
狙いは記述問題対策ということで、
「読んだもの全てを要約や和訳で言語化しなおす」こととしました。

授業の流れは以下のように進めました。

1 まずトピックをペア→クラス全体で確認する
(出発点が大きく

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文法説明を明るくしたい先生「意味のないことが意味を持つ瞬間」

文法説明を明るくしたい先生「意味のないことが意味を持つ瞬間」

丁寧な文法の解説は、単調でつまらなくなってしまいがち。
分かりやすいはずでも眠そうにされることも。

そんなときはインパクト重視の絵を利用します。
この時は助動詞レンジャーを登場させて、
5つの助動詞がそれぞれ持つ意味を、基本と推量で分けて伝えてみました。

「そんなの、普通に板書すればいいじゃん」と言われてしまうかもしれませんが、
まあその通りです。
それでも生徒にとっては、こんな些細なユーモア

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今日の授業 ~リテリング+Q&A~

今日の授業 ~リテリング+Q&A~

1 自分で読む
2 リテリングする
3 聞いてくれた人に質問をして、相手が全部答えられたらクリア!

という流れで活動したら
1 伝えるために頑張って読む
2 伝えるために表現を工夫しながら話す

というように、常に伝えるため=相手にわかってもらう ために
インプットするという目的意識が生まれるので授業が引き締まります。

アウトプットとインプットを連動させる例として書いてみました!

学びを引き出す「失敗経験」

学びを引き出す「失敗経験」

前回(https://anchor.fm/62990/episodes/008-------e1u4e60)の続きです。

生徒が学ぶ必要性を実感するために、
授業の冒頭・前半部に「挑戦」と「失敗」する経験を取り入れることの意義について話しています。

例えば、野球でも
狙いもよくわからないままにひたすらさせられるバント練習よりも、
試合で必要に迫られてバントをしたが、失敗してしまった後のバント練

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