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#104【絵本】梨の子ペリーナ

今日もステキな絵本の世界へ📚
記録として感想を書いています。




今日の絵本

『梨の子ペリーナ イタリアのむかしばなし』

再話/イタロ・カルヴィーノ
訳/関口英子
絵/酒井駒子
発行所/BL出版(2020年)





この絵本のテーマは・・・

著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。
私が感じたこの絵本のテーマは、

【優しさ・素直さ】
【困難に負けない心の強さ】
【果樹を大切にする気持ち】






私が感じた事

酒井駒子さんの幻想的な絵が、それはそれは美しい絵本です。

特にたくさん描かれる主人公の少女。
表情はもちろん、走る姿、長い髪がなびく様子、横顔。可愛い笑顔。

でも獰猛な犬や髪の毛をむしる竈の女たち、血のような赤い川など、インパクトのある絵もあり綺麗だけじゃないコントラストがいい。

イタリア文学翻訳家の関口英子さんのあとがきには、イタリアの作家カルヴィーノが国中から200の民話をまとめ、その『イタリア民話集』からモンフェッラートというイタリア北部の果樹栽培が盛んな地方に伝えられるお話「梨といっしょに売られた女の子」を再話したものだと書かれています。


『イタリア民話集』には、りんごやいちじく、ざくろなど、果物がモチーフとなっているおはなしがほかにもいくつかありますが、果物の化身はいずれも女の子です。というのも、イタリア語では果物はみんな女性名詞なので、自然と女の子の姿が連想されるのです。このおはなしは、大地から養分を吸い上げて、多くの実りを与えてくれる果樹を大切にしてきたイタリアの農村だからこそ生まれたといえるでしょう。

『梨の子ペリーナ』あとがきより

こういう豆知識なんかも好き。
ペリーナは、イタリア語で梨の子という意味らしいです。

物語は、果樹栽培が盛んな地方らしい洋梨がテーマのお話なのですが、ちょっとビックリな出来事からはじまります。毎年国に納める梨が今年は不作で量が足りず、父親は梨と一緒に娘をカゴに入れてお城へ…。
語り継がれる民話ですので実際にこのようなことがあったのかもしれません。

少女は自分の置かれた状況を受け入れ、優しく素直な心と好奇心で困難にも勇敢に立ち向うという、王子様や魔法使いも出てきて最後はハッピーエンドとなるシンデレラストーリーになっています。

世界の物語は、やっぱり魔法使いや魔女が出てくるのが定番ですね。
困難と思われる行く手を阻む場所や敵も、実は操られていたり苦しんでいたりします。主人公がその原因を取り除いてあげると、仲間になったり難なく次のステージに行けたりする^^それには魔法の力や主人公の直感と勇気が必要なのですが…。
そもそも主人公ですもの!運とツキがあるのでしょう^^

世界の民話もこんなステキな絵と訳でたくさん絵本になれば、日本の子どもたちにももっと広まっていいのになぁと、もっと読んでみたいなぁと思いながら、絵本を閉じました。

🍐追記🍐

ハタモトさんのマガジン、
Thanks みんなのフォトギャラリーに追加していただきました。

素敵なお写真もお借りしました!
ありがとうございました😊


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