大人のための”絵本の処方箋”を読んで。
noteでこの本の存在を知った。
お店を知ったのも最近だが、有名な東京にある子どもの本の専門店『クレヨンハウス』のオーナーであり作家の落合恵子さんの本。
本について
『絵本屋の日曜日』
著者/落合恵子
出版所/岩波書店(2006年)
出版されたのはお店を始められて30年経った、著者61才の年。
絵本を求めて来店するお客様とのエピソードもあるが、文章には認知症のお母様のこと、亡くなった愛犬のこと、大好きな植物のこと(著者は素人園芸家だと)などが盛り込まれ、絵本1冊ずつ100冊分の、これは子どものというより大人に向けた絵本紹介だった。
あとがきでも著者はこのように書かれている。
本の内容
ほぼ洋書絵本、約20年前の出版なのでその後出版された作品には至らないが、絵本のプロが選んだロングセラーの良書がずらりだろう。
私もnoteで感想を書いた、
『よあけ』『もりのなか』『わたしとあそんで』『アンジュール』『わすれられないおくりもの』『きみなんかだいきらいさ』などや、
以前読んで良かったと記憶に残っている『たいせつなこと』や『ちいさいおうち』『てぶくろ』などなどや、読みたいと思っていた絵本の名前もあった。
初めて知る絵本もたくさんみつけ、読みたい絵本リストがまた更新された。
絵本は心の薬
先にも書いた通りここに書かれているのは、ちょっと疲れたそんな大人のために絵本をお薬として処方する心の処方箋だ。
そんな時はこんな絵本オススメ!といった風なお題で、エッセイを読んでいるような記事が目次に並ぶ。
例えば、
・ほのかにうれしくなりたかったら
(→お薬絵本は『ふくろうくん』)
・女ってソン、とくやしかったら
(→『エレーナのセレナーデ』)
・つれあいに腹が立ったら
(→『なんだってしてあげるよ』)
・仕事が耐えがたかったら
(→『さむがりやのサンタ』)
・ハハハと笑いたかったら
(→『ねぇ、どれがいい?』)
というように。
ただ感想たまにネタバレの私の絵本記録noteと違って、著者の日々の生活での思いがスライドして1冊の絵本に繋がっているのがカッコいい。
それは著者の知識量と経験の豊かさと文才のなせる技だと思うが、私も自身のnoteを見直したいなぁと思った。私の拙い記事でも誰かが折角読んでくれるのなら、やっぱり楽しく意味のある時間になったら嬉しい。
出来るか?!笑はさておき、来年の課題にしよう。
自由にいきられないと嘆いていたら
しなければいけないことが山積みで、時間にも縛られている時。こんな時は深呼吸ができずに、浅く息をしているという著者。そんな時の自身の心の処方箋が書かれていた。
一人になる時間。
と同時に、人によっては様々だろうけれど好きな事をするということかな。
そして心がポカポカしたら湯冷め防止には、絵本。
ジャネット・モーガン・ストーク絵・文、いずみちほこ訳『めんどりのルイーズ』を紹介されていた。ルイーズがお気楽で自由奔放だろうことは、文章で分かるものの^^…やっぱり読んでみたい。
「わたし」は誰?と迷いはじめたら
「わたしは いつも わたしでしょう」といってくれる、デルモア・シュワルツ文、バーバラ・クーニー絵、しらいしかずこ訳の『ちっちゃな女の子のうた ”わたしは生きてるさくらんぼ”』という絵本の紹介での、著者のことばにも共感した。
思春期、社会に出始めた時、そして大人になってからでも、何かにならねばならないと思ってきた。でも今となっては本当は私は私でしかないことが分かる。
絵本だからと侮ってはいけない…実はそんな深い内容が詰め込まれているものもあるのだから。…やっぱりこれも読んでみたい^^
私が絵本を読むわけ
絵本だけではない本や音楽、芸術全般にいえると思うが、好みは人それぞれ。誰かが良いというものも、自分には必ずしも良いとは限らない。
作品に出会う時の年齢、状況や心境で、感じ方も捉え方も変わる。
昔はそんなに良いとも感じなかったけれど、今だから共感したり、今だから理解できるものもある。だから同じ作品でも出会うタイミングって、あると思う。
なので大人になってからの絵本も悪くないのだ。
絵本によって考えさせられたり、自分や他人を知ることが出来たりする。
それが好きで楽しくて私は絵本を読んでいるんだと思う。
日々に疲れたり、悩んでいる大人たちに絵本。
ほっこりするだけでなくちょっとラクに楽しく生きられる気づきにもなるそんな絵本の良さが、もっと広がればいいのにと思う。
そんなきっかけが私にもつくれたらいいのにと思う。