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チャツネ教で念仏踊る
以前、マンゴーチャツネを激しくヌヌメた記事を書いた。
この時私は、マンゴーチャツネに心酔していた。マンゴーチャツネこそが正義であり、最善だと信じていた。ところがだ。つい出来心でフルーツチャツネに浮気してしまったのだ。マンゴーはちょっと気取ったところにしか売っていなくて、しかも容量が少ない。
初めは、そんなにたくさん使うものでもないから…などと遠慮がちに触れていたのだが、気がつけばガバガバだ。もう入れたい放題。なんなら砂糖、蜂蜜どこいったくらいの勢いで活用していた。なのですぐに空になってしまう。マンゴーチャツネの空ビンなんて三流の抱き枕より用事がない。
そんな私の心の隙間につけ込むようにフルーツチャツネが現れた。いや、現れたというより、いつもそこにいた。気軽なスーパーに、大量に、マンゴーより大きなビンで、いつもそこにいた。いつもある安心感。それに引き換え、目を皿にして探さないと見つからない場所に鎮座しているマンゴー。
彼女(マンゴーチャツネ)と遊ぶには少し気合がいる。だけど、それだけの価値があると思っていた。彼女は懐が深く、時々ごろついたマンゴーの塊が料理の邪魔をするのも、私の自尊心をくすぐった。しかし、失っても惜しくないくらいの構えでいつもそこにいる大瓶のフルーツチャツネにひとたび手を出してわかった。
これは火遊びでは終わらない。
いつもそこにあるから、彼女の価値が下がるのだとしたら、それは脳内チャツネインフレ現象だ。実際は、彼女の真価にインフレもデフレもない。彼女は魅力に溢れていて初めての人にも優しい。本当だ。ちょっとプルーンを彷彿させるあの色に騙されないで欲しい。決して遊び過ぎなのではない。生まれたてと言っても過言でないくらい、彼女は素朴で奥が深く、大きな力を秘めている。
なんの話をしているのかって? もちろんチャツネの話だ。
彼女の素朴さをここに晒そうと思う。目を逸らさないで欲しい。
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しかも、インド原産かと思いきやタイ原産。どこまで私の意表をつくのか。
マンゴーチャツネは入れ過ぎるとちょっと厭味なフルーツ感が出てしまう。英語が話せてカッコイイと思っていた女が、日本語の合間にバナナをバナーナ、りんごをアポーと発言したとたんルー大柴の厭味感が滲み出てしまうのと似ている。ニッチなところが魅力だったのに、いつの間にか心が離れていた。
フルーツチャツネは常になめらかだ。溶けやすく、どんな料理にも馴染んでくれる素直さが魅力だ。手作りドレッシングにほんの少し足してもいい。和食の甘味付に入れてもフルーツの主張がない。豚の生姜焼きで言えば、マンゴーチャツネよりも上をいくポテンシャルの高さがいい。
先日は、牛肉と揚げ麩の醤油煮を作ったが、その時のフルーツチャツネの力の発揮ぶりには目を見張った。もう、マンゴーなんかに戻れない。私の体はフルーツチャツネの虜となってしまった。
ここに、私は強く主張したい。
フルーツチャツネも注目して欲しい。
こんなにいい子他にいない。
遊んでるギャルかと思ったら、実際はそばかすだらけの笑顔が素敵な処女だったと言っていいくらいの見た目のギャップがある。フルーツチャツネを街の明かりに例えるなら、彼女はネオンじゃない、蛍光灯だ。
チャツネはおしゃれな調味料ではない。三軒茶屋がおしゃれな街なんかじゃないのと同じだ。身近な調味料として、ぜひ皆さんのキッチンに置いて欲しい。
チャツネを使った料理が美味しすぎて、何度テーブルの周りを念仏唱えながら踊り狂っただろうか。私はチャツネが本当に素晴らしいことを皆さんに知ってもらいたいのだ。こんなにも使い勝手のよいチャツネを。ふくよかな甘味をあなたの食卓へ…!!
<追記>
フルーツチャツネの使い方をざっとここに記しておこうと思う。
パスタなら、トマトソース、ナポリタン、ミートソースの甘味をつける際に。鶏むね肉をしっとりさせたいなら、使用前にチャツネを揉み込むと手品みたいに柔らかくしっとりする。むね肉だけではない。形状を問わず、あらゆる肉に使える。肉を柔らかくするならチャツネだ。手作りドレッシングにもどうぞ。
とにかく「砂糖入れたれ」というタイミングがチャツネのタイミングだ。ぜひ、チャレンジして見てほしい。
#チャツネで世界を小さく救う